4869【名探偵コナン】 (ページ44)

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色男の助言_2 ページ44

「…製薬会社の人間が出入りしているって言ってなかったか？」

「これまで出入りしていた取引担当の人間以外は、どうも信用できない様子でな。
出入りしている外部の企業の人間に探りをいれてみたところ…、
これまで担当していた人間以外が出入りするのはかなり難色を示されるらしい」

「…ずいぶん警戒しているんだな…」

「何らかのプロジェクトだとか、秘密裏に開発しているシステムだとか、そういうことじゃないか、
と、考えるにしても…、怪しいだろ」

降谷が耳にしたという不穏な会話。
景光自身がAの口から聞いた言葉。
偶然とは思えない事実がこうも重なれば、やはり疑わざるを得ない。

「…今日の午後、配送員を装って、内部に盗聴器を仕掛ける。
内部の様子を知るため、盗撮機も――だ。
ヒロは、引き続き綾倉Aへの接触を続けてくれ。」

「了解。こちらも、そろそろ気を許してくれるんじゃないかと…、思う。」

「…あぁ。任せた」

10分後。
警視庁に戻った景光は、
10Fの公安部に戻るため、ロビーでエレベーターを待っていた。

「よぉ。」

「…萩原か」

「今日は、”時田さん”じゃねぇよな？」

挑発的な目でコソッと話しかけてきたのは、
先日の夜、Barで顔を合わせた萩原だ。

景光に並ぶようにして、エレベーターの前に立ち止まった彼に、
景光は不思議そうな顔をした。

「上に用事でもあるのか？」

「あぁ。ちょっと、一課にな」

「へぇ。副隊長にもなると色々大変だな」

「まぁ、諸伏ほどじゃねぇけどな」

ニヤリと笑みを交わす2人。
今や、爆発物処理班副隊長の萩原。

何かあった時にすぐに出動出来るよう、機動隊関連のオフィスは2Fにある。
わざわざエレベーターを待つように隣に並んでいる彼の言葉に納得した景光だったが、

「この間、分かりやすく女に振られてたみてぇだけど、大丈夫だったか？」

続けて零された言葉に、あからさまに不快そうな表情を浮かべた。

「…うるさい」

反論の呟きをこぼした直後、
小気味良い高音とともに開いたエレベーターに乗り込む2人。
他の乗客はおらず、幸いとも言うべきか密室になった箱の中で萩原が楽しそうに口を開いた。