4869【名探偵コナン】 (ページ31)

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シェリーページ31

「単刀直入に伺います。
彼女をご存知ですか？」

「…」

翌朝の阿笠邸。
突如訪ねてきた人物に、宮野志保は顔をしかめた。
主は徹夜だったため未だ寝ているため、渋々といった様子で対応したのだが、
唐突に見せられた写真に、ただ、眉を寄せている。

彼女は、元の姿に戻ったあと、
阿笠博士の家に半居候を続けていた。

ここでは研究が続けられるからだ。
そのための十分な設備がある。

APTX4869の解毒剤は完成し、それにより彼女と――、彼は、元の姿に戻ることが出来た。
と思われた。
しかし、やはり薬の影響は長期的なもので。
自身を含む被験者のデータを得ることは非常に重要なことだった。

そして、本来目的とされていた”毒薬”ではないAPTX4869を完成させることは、
――母親から受け継いだ彼女の目的でもあった。

そして――。
万一、開発データが漏れていた場合。
組織の残党によってAPTXが未だ開発されていた場合。

それを止める義務が、あるからだ。
解毒薬を確実に開発しておくことで。

よく遊びに来る、歩美光彦元太の３人組には、
どこか灰原に似ている、
どこかで会った気がするなどと詰め寄られたものの、

遠い親戚なのかもしれないわね、などと、あの調子でかわしながら、
宮野志保として暮らしていたのだ。

転校してしまった灰原哀は、
文字通り、この世から姿を消していた。

安室透にとっては、
組織の残党が周囲の人間に危害を加えることを防ぐ大きな目的がある。
“シェリー”を守ることも、その大きな目的だ。
もちろん、元の姿に戻った高校生探偵も。