4869【名探偵コナン】 (ページ14)

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接触ページ14

2日後の午後。

景光は、
降谷から聞いた情報を元に、
米花町の外れにある小さなビルに入った研究所の前に現れていた。

もちろん、通行人を装って。

(…決まった時刻にビルから出てくる訳じゃなさそうだし…、
研究員なら、徹夜ってこともあるだろうしな…)

昨日、情報を確認するという意味もあり、
身を隠す形でAがビルから出てくるところを探っていたのだが、
夜遅くになってもその姿を目に移すことは叶わなかった。

複数名での張り込みではない。
偶然を装って接触を試みている訳で、
24時間張り込んでいる訳にもいかない。

一応、杯戸公園の方へ足を運ぼうとも考えた訳だが、
働いているというこの研究所付近でまず接触を試みているのだ。

(…来た。)

そして、待ち続けること2時間。
ターゲットである綾倉Aが、カバンを手にビルから現れた。

この2週間ほどで、2回見かけたことのある人物。
偶然か、あるいは何らかの意図が働いていたのかはわからない。

しかし、後者であった場合、
こちらから接触することで何らかの動きを見せる可能性があると、景光は睨んでいた。

“偶然”通りかかった通行人を装って、
Aに近づくように歩き出す景光。

視線の先の人物は、降谷から見せられたディスプレイ越しに映っていた服装と似た格好で、
景光自身が見かけたフードの人物とはかなり雰囲気が違っていた。

黒いフードを被っているわけではない。
薄いベージュ色のコートに身を包んだ人物。
ジーンズではなく、スカート姿のその人物に、
景光はさりげなく近づいた。

「…はぁ…困ったな…」

スマホを手に、何やら困った様子をかもしだしている景光。
幸い、周囲にいる通行人は、かなり先を歩く人物のみだ。
そのタイミングすらも図っていた訳だろうか。

『…？』

すぐ横を通り過ぎようとした景光に、
ちらり、とAが視線を向けた。
スーツ姿で、サラリーマンといった風貌の彼は、
いかにも仕事中といった様子だった。