4869【名探偵コナン】 (ページ11)

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見覚え_5 ページ11

「…彼女を、か？」

「彼女の叔父である綾倉達哉は既に探ってはいるんだが、
…彼は所長だ。
そして、僕が2人を見かけたとき、4869と口にしていたのは彼の方だったが、
開発を迫られている様子だったのは、――彼女、綾倉Aの方だった。」

「…宮野志保のような、研究者かもしれない、…ってことか？
組織との繋がりは…？」

「分からない。もし、繋がっていたとして、そう簡単に情報が掴めるとは思えないしな。
ただ、ヒロに顔を見せてきたということは、少なくともヒロのことはバレていない可能性がある。
…わざと偶然を装って接触してきたということも、考えられるが…。
綾倉達哉の方は、こちらで探ってみるが、…もし、組織と何らかの関わりがある人物だった場合、
おそらく、彼女から情報を聞き出すのが早いかもしれない。」

「…どういうこと、だよ」

含みをもたせたような降谷の言葉。
それと同時に、再び目の前に見せつけられた彼のノートPCのディスプレイに写っていたのは、
先ほどの写真とはまた違う、1枚の書類データだった。

「…19年前。事故で両親を亡くしてるのか。――その後、叔父夫婦に引き取られた…と。」

「…当時の捜査資料では、後部座席に乗っていた彼女だけ、助かったそうだ。
ただ、車体前方、運転席と助手席までは大破。
おそらく、目の前で…」

「なるほど。だったら…、俺が適任だな。」

「…悪い、ヒロ。そういうことを言いたい訳じゃないんだ。ただ――」

自分で見せた綾倉Aの情報。
事故当時の捜査資料をもとにしたその情報から、
瞬時に何が言いたいのかを察した景光とは相反し、
降谷は複雑そうな表情で歯切れが悪そうにしていた。