いつの日か。(3)【安室透/降谷零】 (ページ29)

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戻るべき場所_2 ページ29

「…何、考えてるの？」

降谷が、考えを巡らせていると、
助手席からふと声をかけられた。

ベルモットだ。

「またよからぬことを考えてそうね、バーボン？」

変装を解きながら、こちらに声をかけてくる。

次の暗殺ターゲットである、
大手メーカー社長の情報収集をしてきた帰り、なのだ。

『いえ。少し情報を整理していただけですよ』

「そう…。
まぁ、彼の行動パターンは掴めたし、特に問題なさそうね。」

SPをつけていることが厄介だが、
内部の人間になりすまし、
秘書からここ1週間の行動を聞き出すことができた。

ベルモットの変装技術については、
やはり賞賛せざるをえない。

何より、
…利用させて、貰っているのだから。

おそらく、自宅に帰宅したところを、
キャンティかコルンに狙撃させる、
あるいは、ジンが自ら手を下すか、といった計画になるだろう。
組織としてはよくあるパターンだ。

愛車のRX-7を路肩に止めると、

「計画が整ったら連絡がいくはずよ。
誘導係としては、あなたがうってつけでしょうから」

そう言い残すと、
ベルモットは助手席から降り、
米花町の人ごみへと消えていった。