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月夜の晩に_4 ページ48

「…キッドだ!まだ近くにいるはずだ!探せ!」

「「は、はい!」」


中森の声とともに周囲に走り出す刑事たち。
同じく、中森も焦った表情で展示室から出て行ってしまった。


(…防弾ガラス、なのよね…?
割れた形跡もないし…どうやって…)


ポツンと展示室に残ったAは訝しげに、
中身の無くなった展示ケースを眺めるが、
確かにそこにあったはずの宝石が無くなっていることは確か。

怪盗はおろか、窃盗犯と関わることの少ないAは、
厳しい目つきで周囲に視線を向けている。


(…特におかしな様子はないけど…)


手袋をはめ、コンコンと展示ケースを確認するが、
やはりおかしな点は見当たらない。


渋々といった表情で展示室を離れ、
他の刑事たちとともに周囲の不審者の確認に合流し、
しばし周囲を捜索するも、キッドらしき人物は見当たらない。


(…これまでの捜査資料だと、キッドって必ず刑事たちの前に姿を見せてたはず…)


白いタキシードに白いシルクハット。
怪盗であるにも関わらず、マジシャンのようなキザで目立つ格好で、
獲物を確実に盗んだことを示すように、
刑事たちの目の前に現れる、進出鬼没かつ大胆不敵な怪盗だったはずだ。



ふと、捜索していた美術館入り口からくるりと向きを変え、
再び展示室の方へと走り出すA。


『…!』



その視線の先には、展示室からそろりと出ていく全身白の人物。
捜査資料に書かれていた特徴と同じ服装。


(…怪盗キッド!?)



とっさに全力で走り出すAにぎょっとしたように
素早く走り出す”怪盗キッド”。
向かう先は、階段だ。


周囲の刑事は、ブラック・レディを盗んだキッドが美術館から逃走したと考え、
入り口付近や美術館外、非常口付近を捜索中で、周囲は手薄だ。


『…待ちなさい!』


全力でキッドを追いかけ辿り着いた先は、
美術館の屋上。

屋上といっても美術館は3F立て。そう高い場所でもないのだが。


『…貴方が怪盗キッド?』


Aの問いかけに答えようとしない目の前の人物は、
少々息が上がっているようだ。

全身白のシルクハットにタキシード、モノクルをつけた長身の男性。
しかし、ちらりと見える髪には少し白が混じっているようだ。

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設定タグ:名探偵コナン , 警察学校組   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:white12 | 作成日時:2019年11月17日 12時

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