SNOW DROP II (2)【名探偵コナン/警察学校組】 (ページ5)

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Lemon tree_2 ページ5

サングラスを外した松田がじっと見つめているのは、
Aが手にした白い紙袋。

“Lemon tree”

と書かれた紙袋だ。

松「米花町の店だろ。パティスリーってやつ。
シュークリーム…か？」

『…松田、知ってるの？Lemon tree』

松「…萩原と行ったからな。」

『…え？』

2年前とは違い、といっても、Aが知る由も無い会話なのだが、
パティスリーと綺麗に発音する松田には何の違和感もない。
しかし、Aはいまいち話が掴めず、
松田に不思議そうな顔を向けた。

松「萩原が…、
春宮に渡すシュークリーム買いに行くから一緒に来てくれって、
面倒なこと言ってきたからな」

『え…そうだったの？』

面倒なこと、と言いながらも、
その会話を思い出すようにして、目を細める松田。

『じゃあ、あのシュークリーム、
萩原…、松田と一緒に買いに行ったってこと？』

松「そういうことだな」

『..フフッ』

口元を押さえて小さな笑い声を漏らすAに、
松田はわざとらしくギロリと睨むように視線を向けた。

松「…何だよ」

『あのお店、結構可愛いから。
松田、似合わない…』

松「…うるせぇ。何で俺だけなんだよ」

『…何となく』

一緒に買いに行ったと言っているのに、
松田だけ名指しで”似合わない”と言ってくるAを、松田はさらにギロリと睨みつけた。
しかし、その口元は緩んでいるようだ。

そして、そのまま萩原の墓の前にしゃがみこむと、
ジャケットからタバコの箱を取り出し、その1本に火をつけ、墓の前に備えた。

『…そっか。松田、喫煙者なのよね』

これも、Aが警察学校時代には知らなかったこと。
萩原と同じく、こっそり吸っていたのだからそれは当然のことで。

しかし、1年前にエントランスで会った時。
喫煙所から出てくる松田を目にし、喫煙者なのだということを知ったのだ。
萩原にタバコを供えた後、自身もまたタバコをふかし始めた松田を、
Aは目を細めて見つめていた。