緊迫の3分_7 ページ39
『…きっと、公安が追っている人物がいた、ってこと…よね。』
事情が分からないAだったが、
今の状況を思い出したように店内の方へ向き直ると、
犯人達の方へと歩きだした。
「春宮!無事だったか!」
『…中森警部。そこの目出し帽の男、
警視庁とやりとりをしていた人物です。おそらくリーダーかと。
連行してください。それと、そっちの床に伸びている男も――』
「分かった!」
Aの言葉を受け、
まずは、動こうとしないリーダーの男の腕を掴み上げ、
パトカーへと連行していく中森警部。
そして、入口の方に座り込んでいた女の犯人は、
捜査一課の佐藤が連行しているようだ。
周囲では、刑事たちが現場の状況を確認するとともに、
機動隊員たちは店内に他に爆弾がないか、慎重に確認していた。
「は、春宮さん…!無事で良かったです…!」
そして、 Aに駆け寄ってきたのは、
くしゃくしゃに顔を歪め店内へ入ってきた一ノ瀬。
『…一ノ瀬。悪いけどそこに伸びてる男、連れていって。
犯人の1人よ。
気絶してると思うけど、まだナイフ持ってるかもしれないし、…気をつけて。』
「で、でも…春宮さん、その怪我…」
『いいから、早く連れて行って。』
「は、はい…!」
Aの赤く染まった手首と、
うっすら血が滲む頬を心配する一ノ瀬だったが、
事務連絡のように、犯人を連行するように指示を出すAに、
軽く敬礼をし、男に手錠をかけると、指示通り連行して行った。
続いてその後ろから駆け寄ってきたのは、
防護服を脱ぎ、制服姿の松田だった。
鎖骨あたりがキラキラと光っている。
緊迫した状況だったのだ。汗が滲んでいるのだろう。
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作者名:white12 | 作成日時:2019年11月17日 12時