緊迫の3分_2 ページ34
(…これ、ね…)
入口近くの壁で点滅する赤いランプ。
そして、入ってこようとする機動隊員に向け、
大きく両腕で✖印を作りながら、首を左右に振るA。
『突入は待ってください…!
犯人は既に拘束しています。
ただ、ここに、爆弾が仕掛けられていて、犯人の話では、3分後に爆発すると…。
とにかく、ここから離れてください!』
銀行の入口付近には、
逃げる人質たちと逆行するように店内に入ってこようとしていた数名の機動隊員。
その後ろには、険しい顔をした中森警部、そして一ノ瀬の姿が見えた。
パクパクと何やら口を動かしているが、
周囲のざわめきに紛れてその言葉は聞こえない。
その横には、捜査一課の目暮警部と佐藤の姿も見えた。
「…春宮!?」
そして、叫ぶような声のする方へ視線を向けると、
そこには、松田の姿があった。
『…やっぱり、松田…。
ごめん。詳しいことは後で説明するから。
言ったでしょ。犯人の言うことが本当なら、3分で爆発する。
そして、入口に仕掛けられてるのはセンサー式、だそうよ。
松田なら簡単...なのかもしれないけど、お願い。
とにかく、市民の避難を優先させて…!』
松 「お、おい…!」
隊長のような男に制止されるような格好で、
Aに声をかける松田だったが、
Aはそのままくるりと背を向けると店内へ戻って行った。
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作者名:white12 | 作成日時:2019年11月17日 12時