SNOW DROP II (2)【名探偵コナン/警察学校組】 (ページ18)

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長い1日ページ18

それから半年後の12月。

キラキラした雰囲気の米花町で、
Aは一ノ瀬とともに、東都銀行の米花支店を訪れていた。

警視庁では、
1ヶ月前に東都銀行のいくつかの支店からあるメールが届いていた。
それは、類似した内容のメール。
その内の1通には、電子ファイルとして、ある口座の送金記録が添付されていた。

内部告発と思われるそのメールは、
東都銀行と、ある企業との癒着、
銀行が、その企業の営業負債の二重売りに加担しているという内容だった。

いくつかの支店を経由した怪しい金の動きを探るため、
米花支店の支店長市川と向かい合うAと一ノ瀬。
市川はいかにも綺麗に髪を整えた銀行マンといった風貌の40代ほどの男だ。

“警察”であることは伏せ、
一般企業の社員と偽り、内情を調べているのだ。

『…なるほど。では、今後融資を受ける場合はご担当頂ける訳ですね。』

「春宮さん、あとはこちらのリストを――」

『ありがとう。じゃあ、一ノ瀬、先に戻ってこれ、確認しておいてくれる？』

市川から受け取った書類を手に、
銀行の応接室を出ていく一ノ瀬を見送り、
Aは市川に向き合った。

『それと、御社との取引ですが、主にネットバンク経由ということですよね？
こちらからのアクセスは少し複雑なようなのですが…』

「あ、それは、不正にアクセス記録を追跡されないように…」

『なるほど。それは確かに――』

“きゃぁぁ…！！”

そこに突如響き渡ったのは、女性の悲鳴だ。

『…！すみません、お話は後ほど』

店内の異変に鋭い目つきで、素早くソファを立ち上がるA。
刑事ということは伏せているとはいえ、
やはりこういった場面で落ち着いていられるはずもなく。

(…！)

店の奥にある応接室から出てそっと店内を覗くと、
そこには、黒い目出し帽を被った人物が3人。
その手には拳銃を持っているようだ。