遭遇_3 ページ11
(確かに、諸伏と…、零、だった。
あれは、ベース…?
諸伏はベースを弾くって、そういえば、前に零が…)
“ヒロのベースの腕はかなりのもんだぞ”
動き出した電車の中で、
警察学校時代、そう話していた降谷の言葉を思い出すA。
それにしても、
2人で一緒にいる場面を目にするとは。
目深に帽子を被っていた降谷。
それに、ベースを手にしていた景光。
公安警察官とて、普段は当然一般人として生活をするのだから、
休みに2人で出かけることがあっても不思議じゃない。
それにしても、2人ともに非番とは考えにくい。
例えそうだとしても、
帽子で良く見えなかったとはいえ、
ちらりと見えた降谷の表情は厳しいものに感じた。
(…任務?)
2人ともに”公安の人間”としての任務中なら、
あのようにベースを手に女の子と遊ぶようなことをするだろうか。
当然見覚えのない人物だが、
もう一人の長髪の男も公安の人間なのだろうか。
(それとも、潜入…捜査…)
だとすれば、あの長髪の男は、公安が追っている組織の人間なのだろうか。
ターゲットの男をさりげなく監視しつつ、
思考を巡らせるA。
しかし、どんな事情であれ、
無事である2人の姿を、降谷の姿を目にすることが出来たことに安堵する。
その一方で、
もし、潜入捜査なのであれば、
常に命を賭けるような危険と隣り合わせだろう2人の状況に、
今更ながら、小さくため息を吐いた。
そして、2人が無事に元の場所に戻ってこれるように、
心の中で願ったのだった。
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作者名:white12 | 作成日時:2019年11月17日 12時