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無言電話_3 ページ34
「…何があった」
『…何も、ない…ので。大丈夫、ですから』
「じゃあ…、何でそんな泣きそうな怯えた顔してんだよ。
…また、この前付けてきた男が来たんじゃねぇだろうな」
『…ち、違います』
「…じゃあ何があったんだよ」
松田は店の入口付近に立ち止まったまま、
Aに近づこうとはしない。
キッチンで涙を堪えるようにして唇を擦り続けているAに、
ただ、心配そうな、苛立ったような、複雑な表情を向けている。
こじんまりとした店だ。
視力の良い松田にとっては、
入口からでも、Aの表情を知ることはたやすい。
『…大丈夫、です…から、帰って、ください。
ごめんな、さい… 間違って…電話してしまって』
「…」
すっと、松田に背を向けるA。
それでも、やはり松田はその場を動こうとしなかった。
Aに近づくこともせず、
侑斗のようにその距離を無理やり縮めるようなことなどせず、
ただ、その場に立っていた。
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作者名:white12 | 作成日時:2019年11月14日 21時