Rain (2)【名探偵コナン】 (ページ30)

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クリスマス_4 ページ30

『…やめて…。離れてよ。』

ビクッと、Aの肩が震えた。
触れられたく無い、という本能が働いているように。
それは2日前の夜。
自身をつけてきたあの男に、腕を掴まれそうになったときと同じだった。

背中にはカウンターテーブル。
目の前には侑斗の身体。
追い詰められているような状況に、
睨みつけるような、不安げな、怯えたような表情で侑斗に抗議するA。

「何でだよ、A…」

『帰って…！本当に警察呼ぶ――』

しかし、Aの抗議の言葉はそこで遮られた。

『…んっ…ん……っ…やだっ…』

Aの肩を乱暴に掴むと、
侑斗が強引にキスをしたのだ。
侑斗の胸を押し戻そうと抵抗するも、
その身体を全力で突き飛ばそうとするも、力では叶わない。
何とか侑斗から離れようとするが、
今の状況に思考が追いつかない。

だんだん深くなっていくその口付けに、
息が苦しくなる。
唇を離そうと抵抗するも、すぐにそれは捕らえられてしまい、
逃げることは叶わない。
いつの間にか、頬や頭に手が添えられていて、
うまく動くことが、出来ない。

『…やっ…やだっ……んっ……』

そして、
目の前の男を突き飛ばそうとしていたAの両腕から、
身をよじって離れようとしていたその身体から、少しずつ力が抜けていった。

カラン…と、
手に持っていたままのAのスマホが床に落ちた。

離れたいと思っているのに、
こんなことされて不快感しかないはずなのに、
力が抜け、抵抗する気力を失った自身の身体。
悔しさからか、Aの目には涙が浮かんでいた。