Rain (2)【名探偵コナン】 (ページ3)

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米花町の喫茶店_3 ページ3

『米花町の喫茶店の店員さん？
…何で知ってるの？っていうか、噂になってるって…』

「だって…、あの外見ですよ！？
あんなの、そこら辺の芸能人より遥かにカッコいいじゃないですか…！」

一応接客業としての心得は身についているようで、
最大限声を落としながらも、
叫ぶように興奮気味に話す由紀は、
チラチラとテーブル席の男の方に視線を送っている。

『…確かに、カッコいい人だと思うけど。』

「Aさん、何でそんな普通なんですか…。
あの人、レベル高すぎですよ。
それに、安室さんが作るハムサンド、めっちゃくちゃ美味しいし。
コーヒーも…」

『そうなんだ。素敵な人ね。』

「あ、えっと、Aさんが淹れるコーヒーもすっごく美味しいですよ！
でも、あの店の、…えっと、ポアロって喫茶店のコーヒーは、ちょっと味が違うんです。
それもまた美味しいっていうか。
サイフォンじゃないみたいだし、淹れ方が違うからかな…。
豆かもしれないんですけど…。
それに、ハムサンドも絶品で――」

Aのコーヒー”よりも”美味しいと言ったわけではないのだが、
由紀は何故か慌てるようにそう付け加えると、
ポアロという喫茶店のコーヒーやハムサンドについて語り始めた。

『詳しいのね。あ、じゃあこれ、運んでくれる？』

「え、私がですか！？」

『…ダメ？じゃあ、私が――』

「あ、そうじゃないです！行きます！」

興奮しているのか、
何だか挙動不審な由紀は、
アワアワとエプロンをつけると、淹れたてのコーヒーを持って、
喫茶店ポアロの店員らしい“安室”という男の席へ向かった。