Rain (2)【名探偵コナン】 (ページ14)

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危険な夜道_4 ページ14

(…今のって…、待ち伏せしてた…？)

足早に、いや、これは小走りといっても良いだろうか。
自宅への道を歩き続けていたAは、ふと、カバンからスマホを取り出した。

(…！)

内側カメラでさりげなく後ろを映すと、
そこには、街灯に照らされた、さっきの男の姿が映っていた。
少し距離をとり、電柱の近くを目立たないように歩いているようだ。

(…えっと…こういうのって、自宅を知られるのは、マズイから…)

Aが歩いているのは、
街灯もあり、ちらほらと人通りのある路地。
今の状況に、ゾッと寒気を感じるAだったが、
自宅への道をすっと逸れ、明るい大通りへと向かった。

こういう時ほど人間は冷静になる、というのは本当のようだわ、
などと考えながら。

人通りのありそうな道をウロウロとした後、
適当に目についたアパートのエントランスへ入っていくA。

オートロックではないようだ。
中まで付いてこられたら…と、呼吸を浅くするAは、
エントランスからは死角になっていると思われる、
エレベーター横の壁にすっと隠れた。
男が入ってこないことを祈って。

アパートの住人と思われる若い女性にジロリと不審がられ、
とりあえず、ぺこりと会釈をしたAだったが、
その後しばらく息を潜めていたものの、
数分が経過しても男が中に入って来ることはなかった。

そして、いつまでもここにいる訳にもいかず、
ふぅと一呼吸した後、その場を離れようとしたのだが――

「…何やってんだ？アンタ」

ふと、横から声を掛けられ振り向くと、
エレベーターのボタンを押そうとしたまま訝しげにAを見つめている、見知った男が、いた。