Rain【名探偵コナン】

時間外の常連客 ページ28

それから1ヶ月。
Café Rainの客足はかなり戻ってきていた。

「スコーン、美味しかったです。また来ますね！」
「ホント、見た目も可愛いし！」

「ありがとうございました！またお待ちしています！」

ニコニコと店を出て行く女性客達に、由紀が元気よく礼を述べた。

「Aさん、あのイチゴのスコーンもすっごく人気ですね。
見た目も可愛くて、写真撮ってるお客さん多いですし！」

『良かった。今は、SNSで色々評判が伝わる時代だから…、見た目も大事だしね。
味がダメだったら意味ないけど…』

「それならバッチリです！あの美味しさは――」

『ありがとう。でも、ごめんね。テーブル席、片付けてくれる？
それが終わったら、上がってね。』

由紀はAのスコーンをかなり気に入ってくれている。
新作を出すたびに、褒めちぎってくれるのだ。
嬉しい言葉ではあるが、何やらしばらく話し続けそうな由紀に、
Aは困った表情で作業の指示を出した。

もうすぐ15時。
由紀が上がる時間だ。

店を閉めていた数日間。
そして、その後も客足が戻ってくるまでは由紀にはお休みしていて貰ったのだが、
客足が戻ってきたことで、2週間前からまた働いて貰っているのだ。

経営面でも落ち着き、また1人では作業の手が回らなくなってきたという嬉しい状況だった。

例の書き込みは、
警察が来たのは事実ではあれど、
犯人かもしれない、などと、よくある単なる噂話なのだ。
そもそもそれを目にしていない客もいる訳で。
面白がって拡散されていた情報も、犯人が捕まったことで落ち着き、
急に落ちた客足は、2週間ほどで回復していた。

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