検索窓
今日:7 hit、昨日:44 hit、合計:446,528 hit

夜道の涙 ページ1

(…あり得ない。嘘でしょ。)

先ほど目にした写真は脳裏に焼き付いたまま消えてくれない。
Aは悔しげに顔を歪めながら、米花町の路地を歩いていた。
1つ隣の道からは、数分前まで一緒にいた友人たちの声が聞こえてくるようだった。


9月も下旬になり、夜の風はもう冷たい。
ヒヤリとした風に思考が少しずつ冷静になるも、複雑な感情から自然と涙腺が緩んできた。

(幸せそうに笑ってた…)

すうっと目の端から涙が零れ落ちるも、Aはそれを拭おうとはせず、
俯いたまま、駅への道を足早に歩いていた。
と、その時――

ドンッ

右肩に衝撃を感じ、ふと我に返ったように反射的に顔を上げると、
目の前にずいぶん背の高い男が立っていた。
少しうねった髪の毛と、かなり整った顔立ちをした同世代くらいの男だ。


「…悪ぃ。大丈夫か?」

考え事をしながら、しかも俯きながら歩いてしまっていたのだ。
男が怒っているのかと思ったが、ぶつかったことに対し、自身を心配しているような男の言葉に、
Aは、“…大丈夫です。こちらこそすみません…”
と小さく答えた。

自身の顔をやはり怪訝そうに見つめてくる目の前の男。
涙を浮かべていることに気づいたAは、とっさに視線を外すと、

“すみませんでした”
と、小さく頭を下げ、足早にその場を去った。

しかし、

「――おい…!」

後ろから声がして振り向くと、
こちらに小走りで駆けてくるのはさっきの男だ。

夜道の涙_2→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (180 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
354人がお気に入り
設定タグ:名探偵コナン , 松田陣平 , 警察学校組   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:white12 | 作成日時:2019年11月12日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。