検索窓
今日:75 hit、昨日:67 hit、合計:446,232 hit

閑散とした午後_2 ページ15

コポコポとコーヒーを淹れる音が店に響き、香ばしい香りが漂い始める。

『お待たせしました。』

「うん。ありがとう。」

『ごゆっくりどうぞ』

コトリと、テーブルにコーヒーカップを置くと、
男はさらりと色気のある笑みを浮かべ、礼を述べた。
淹れたばかりのコーヒーは、湯気とともに良い香りが漂っている。

色男のような笑みは、最初こそ不覚にもドキリとしたものの、
何度か来てくれているうちに、何だか慣れてきたなと思うA。

“ごゆっくりどうぞ”などという定型文のセリフも、
他に誰も客のいない空間では何だかむずがゆく感じてしまう。
Aは、普段の営業スマイルに自嘲めいた笑みを交え、男に笑いかけると、
キッチンへ戻って行った。


15分ほどして、

「ここのコーヒー、好きなんだよね。
美味しかったよ。ごちそうさま。」

と、またも色気のある笑みをAに向けると、
代金を支払い、男は去って行った。

こういうお礼は、
社交辞令かもしれないけれど、それでもやっぱり嬉しいもので。
Aは、先ほどの自嘲めいたものとは違う嬉しそうな笑顔を浮かべたのだった。

休日の訪問客→←閑散とした午後



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (180 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
354人がお気に入り
設定タグ:名探偵コナン , 松田陣平 , 警察学校組   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:white12 | 作成日時:2019年11月12日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。