確保 ページ19
翌朝。
厳しい目をしてハンドルを操作し米花町のビルへと向かうAと、助手席に座る三橋。
『男たち。普段は10時ごろにはビルに現れるんですよね。』
「あぁ。リスト内のターゲットに電話をかけまくってるんだろ。”息子”に成りすまして、な…」
『全員捕まえて、Attraenteとの繋がり、必ず暴いてやる…』
小さく呟くAは、手元のハンドルを強く握りしめた。
ビルの手前の路地に車を停車させ、車内で張り込む2人。
ビルの窓から明かりは見えず、中にはまだ人はいないようだ。
そして、張り込みを始めて1時間が経った9時半。
先月の成りすまし詐欺被害で、男が2人、ビルへと入っていく。
1人は受け子役をしていた男だ。
そして、30分ほどして、今度はビルへ入っていく3人の男が目に入る。
その内1人はAttraenteへの出入りが確認された男。
『…小田と接触していた男はまだ現れませんね』
「ここに出入りしている男が全員、毎日現れる訳ではなさそうだからな。それに11時まではもう少し時間がある。これから現れるか、あるいは今日はここには来ないか…」
『…そうですね。接触した証拠は抑えているので、他の男たちに吐かせれば良いことですよね』
「お前、ずいぶん刑事らしくなったな。」
『…ありがとうございます』
嫌味にも取れる三橋の言葉に小さく笑いお礼を述べるAは、
さりげなく、とはいえ、鋭い目でビルの入り口周囲を睨みつけていた。
そして、さらに1時間が経過した11時。
「…現れないようだな」
『誰かが中から出た様子もありませんね。
ひとまず、中に入った5人の男たちを確保、ですね』
「…行くぞ。」
獲物を捕らえるような険しい表情で、
ほぼ同時に車から降りる2人。
ジャケットの胸のあたりに手を当て、
念の為携帯している銃を確認するA。
ビルを挟んで反対側で張り込んでいた二課の部下に視線を送ると、
足早にビルの中へと入っていった。
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white12(プロフ) - 夢蜂さん» そう言って頂けて本当に嬉しいです。本作は、どうしてもスピンオフとして過去を描きたくて執筆した作品でした。スピンオフなので既にその先が分かっているが故の切なさもありつつ、若き頃の夢主を楽しく描いておりました。嬉しいコメント、ありがとうございました！ (2020年2月20日 17時) (
レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
夢蜂(プロフ) - 強くも弱い主人公ちゃんに、つい涙が出ました。面白かったです！ (2020年2月19日 21時) (レス) id: 269f71c012 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：white12
| 作成日時：2019年9月10日 14時
