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確証_2 ページ18

しばらくして、
証拠となる防犯カメラの映像や、張り込み中の写真、社員の証言などを改めて整理し、
凝り固まった首を左右に傾けながら、休憩室へ向かうA。

『…んー』

張り込みの疲れや、睡眠不足により、
ややボヤけ始めた目を、ぎゅっと瞑り、ふとエレベーターに乗り込む。

外の空気を吸いたくなったのだ。

チン、と小気味いい音と共にエレベーターが開くと、
すっと冷たい空気が頬を撫でる。

11月に入り、夜になるとずいぶんと冷え込むようになってきた。
エントランスには、外から入ってくる風でひんやりとした空気が漂っていた。


『んー』

自動ドアを出て、外の冷たい空気の元ぐっと伸びをすると、
頭も気分もスッキリとし始め、目を細めながら口角を上げるA。
そして、一度大きく深呼吸をすると、
くるりとエントランスの中へ戻り、エレベーターの方へと向かった。

つい先ほど降りたエレベーターに乗り込み、
ボタンを押すと、


「――だから、…って……でしょ?」

「――せぇな。……んだよ」


エントランス入り口の方から、
何やら女性の少し甲高い声と、
男と思われる低音のボソボソした声が聞こえてきた。



『…ん?』


ふと視線を向けると、
サングラスをかけたまま欠伸を零す松田と、
しかめ面をして彼に抗議をするような佐藤の姿。


そのまま扉が閉まり、昇っていくエレベータの中で不思議そうな顔をするA。


(…佐藤さんって…、捜査一課、よね。
松田さん、一課になったのかな…)


そういえば、異動願いの話をしていた気がする、と、
先日、エントランス付近で上司のような男に厳しい言葉をかけられていた松田の姿を思い出し、
松田が一課の刑事になったのかと考えながら、二課のオフィスへ向かうAだったが、
デスクへ戻ると、
再び”刑事”の目を携えて、手元の手帳とPCのディスプレイに目を通し始めたのだった。

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設定タグ:名探偵コナン , 松田陣平 , 萩原研二   
作品ジャンル:アニメ
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white12(プロフ) - 夢蜂さん» そう言って頂けて本当に嬉しいです。本作は、どうしてもスピンオフとして過去を描きたくて執筆した作品でした。スピンオフなので既にその先が分かっているが故の切なさもありつつ、若き頃の夢主を楽しく描いておりました。嬉しいコメント、ありがとうございました! (2020年2月20日 17時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
夢蜂(プロフ) - 強くも弱い主人公ちゃんに、つい涙が出ました。面白かったです! (2020年2月19日 21時) (レス) id: 269f71c012 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:white12 | 作成日時:2019年9月10日 14時

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