気まずい遭遇_2 ページ14
『ご、ごめんなさい。
聞くつもりはなかったんですが…、
つい…、その…聞こえてきて…、あの…』
「…フッ。」
『…え』
犯人相手なら怯むことなどあり得ず、普段から意気込んでいるAなのだが、
目の前の人物に、
その雰囲気に、
もごもごと言い訳を述べるAだったが、
突如漏らされた小さな笑い声に、きょとんとした表情を浮かべた。
「…別に取って食うつもりねぇよ。」
『…あ、えっと…』
「ただ、アンタには関係ねぇことだ。…捜査、頑張れよ」
『…あ…』
しかし、その問いに答えるつもりはないようで、
ポンッとAの肩を軽く叩くと、
松田はその長い足で、スタスタとエレベーターの方へと向かった。
『…どこかの部署に異動願いを出してるってこと…？』
先ほどの光景を思い出し、ポツリと呟くA。
しかし、警官として異動願いを出すのは、特に珍しいことではないため、
それ以上深く考えることは無かった。
ただ、偶然とはいえ気まずさの残る遭遇に、
自身もエレベーターに乗って二課に戻りたい状況なのだが、
Aはしばらくその場で、
エレベーターに乗り込む松田の背中をぼんやり見つめていたのだった。
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white12(プロフ) - 夢蜂さん» そう言って頂けて本当に嬉しいです。本作は、どうしてもスピンオフとして過去を描きたくて執筆した作品でした。スピンオフなので既にその先が分かっているが故の切なさもありつつ、若き頃の夢主を楽しく描いておりました。嬉しいコメント、ありがとうございました！ (2020年2月20日 17時) (
レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
夢蜂(プロフ) - 強くも弱い主人公ちゃんに、つい涙が出ました。面白かったです！ (2020年2月19日 21時) (レス) id: 269f71c012 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：white12
| 作成日時：2019年9月10日 14時
