最後の夕食 ページ8
その夜。
松田、伊達、そして萩原の3人は夕食をとるため、
食堂に向かっていた。
萩 「諸伏、春宮と会えたのかな…」
松 「さぁな。部屋にいなかったし、走ってんのか、
…春宮と話してんじゃねぇのか？」
伊 「あんな風に降谷に怒るなんてな。諸伏も、そういうことか…。
まぁ、確かに気に入ってたみたいだしな。春宮のこと」
またも、合点が行った様な、
しかしながら、困った様な顔を浮かべ、萩原、松田と苦笑を交わし合う伊達。
萩 「…降谷は、飯食わねぇのかな」
松 「知るかよ。子どもじゃねぇんだ。ほっとけ」
寮を出る前、
気遣うように萩原が降谷の部屋を訪ね、夕食に誘ったものの、
“いや、良い”と、短い言葉だけが返ってきたのだ。
デスクに座ったまま、萩原の方を振り向くことなく。
伊 「…何やってんだ。降谷のヤツ」
ため息をこぼしながら3人が食堂へ入ると、
ちょうど食堂から出てきた塔子とすれ違った。
萩 「あ、澤井さん。」
松 「…よぉ。」
塔 「あ、萩原くんたち。お疲れ様。」
伊 「…もしかして春宮も一緒か？」
食堂の中にちらりと視線を向け、伊達が問いかける。
塔 「ううん。夕食、後で食べるみたい。」
塔子も同じく、
食堂に向かう前にAに声をかけたのだが、
食堂でとる最後の夕食だから、と誘ったのだが、
”ごめん。後で食べるから…。先行ってて”と、短い返事だけが返ってきたのだった。
萩 「…春宮から何か聞いてる？」
塔 「ううん？まぁ…何かあったのかもしれないけど、
A、ご飯抜くような子じゃないし、大丈夫でしょ」
心配そうな萩原と、眉をひそめる後ろの2人に、
特に何も言わずにフフッと笑うと、
塔子はそのまま寮へ戻って行った。
松 「…前に親子丼美味そうにムシャムシャ食ってたしな。
満腹で幸せそうに急に寝始めるヤツだからな。」
伊 「…ハハッ。そういやそんなこと、あったな…」
萩 「怒ってんじゃねぇのかな…。降谷に。」
相変わらず心配そうな萩原だが、
“子どもじゃねぇんだから、何とかなるだろ”
という松田の言葉で、そのまま食堂に入っていく3人。
松 「…お。偶然だな。今日、親子丼だぞ。」
伊 「ここで食う夕食は最後だもんな。親子丼か。美味そうだな」
メニューを確認すると、
今日の夕食: 親子丼
とあった。
偶然にも、
数ヶ月前、
この食堂で、初めてAと並ぶ様にして食べた、夕食と同じメニューだった。
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white12(プロフ) - ra -ra さん» コメントありがとうございます。SNOW DROPは，拙いながらも私自身けっこうお気に入りでして，警察学校組好きが溢れた作品でした。お楽しみ頂けていたなら本当に嬉しく思います。 (2021年5月26日 21時) (
レス) id: 654daa9564 (このIDを非表示/違反報告)
ra -ra - やばい。何度読んでも面白い! (2021年5月18日 16時) (レス) id: 4001d860f3 (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - 燎彩さん» とても嬉しいコメントありがとうございます！最高と言っていただけて本当に嬉しいです。長くはなりますが、続編 (II)も更新中ですので、もし宜しければお楽しみ頂けますと幸いです。 (2020年1月23日 13時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
燎彩(プロフ) - 完結お疲れ様でした！語彙力皆無なので一言だけ…最高です！！ (2020年1月22日 11時) (レス) id: c873624ead (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - さちさん» 本作をお読み頂きありがとうございました。面白かったと感じていただけてとても嬉しいです。もしよければ続編もお楽しみ頂ければ幸いです。 (2019年11月18日 23時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：white12
| 作成日時：2019年9月1日 9時
