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写真の中の痕跡_4 ページ10

中身は写真が3枚。
2枚は、上半身アップの、これまでと似たような写真で、
映っている葵の服装も同じものだった。
しかし、1枚は、ベランダでタオルを干している葵の姿だった。
ポストに入れられている、ということは、
当然マンションと部屋番号は知られているわけだ。


これまでの写真もそうだが、
どれも明るい時間に撮られたものだ。
枚数が増えていることからも、確実にエスカレートしている様子に、
葵は顔をしかめる。

平日は基本的に夜遅めの帰宅のため、
明るい時間に洗濯物を干すのは、休日のみだ。
葵の服装が半袖なので、それほど前に撮られたものではないだろう。
先週、あるいはその前の休日、か。

そして、それ以外の2枚の写真を手に取り、
葵は自身の手帳を開いて何かを確認し始めた。

(…。)

ある1つの考えが浮かぶが、確実ではない。
これまでの写真で撮られた場所が確認できないからだ。



「写真、ですか?」
ふと、またも安室に声をかけられる。

ずいぶんと好奇心の強い男だな、と葵は思った。

「あ、すみません。
難しい顔をして眺めてらっしゃったので。
探偵という職業柄もあって、つい気になってしまって…」

『いえ…』

「あ、お仕事関係の写真だったら、僕が口を挟んじゃうとマズいですよね…」

特に悪びれてもいなさそうな、
相変わらず人懐こい様子で話しかけてくる安室は、
葵の手元の写真に視線を向け続けている。
写真の中身は、裏からではさすがに分からないだろうが。

ふと安室の方を見ると、エプロンにシミが付いている。
コーヒーのシミだろうか。

『…』

「え、あ、すみません。
お邪魔でしたよね…」

抗議の目だと感じたのか安室が少しわざとらしく焦った様子を見せる。

(そうか、服装だけでなく、
目印をつけておけばもう少し絞れる…?)

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設定タグ:名探偵コナン , 松田陣平   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:white12 | 作成日時:2019年7月5日 13時

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