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見たくなかった光景_4 ページ49
「…ヒッ、ヒック…」
永澤をまたも間近に見たことで、
恐怖を感じたのだろうか。
秋野の娘は、葵にぎゅっと抱きつきながら、
さらに声を上げて嗚咽を漏らし始めた。
『あ…
ご、ごめんね…』
その心情を、
恐怖を、
察することが出来なかった罪悪感から、
秋野の娘の背中をさすり、なだめる葵。
『ごめんね…
ごめんなさい…』
眉をひそめながら、
葵が小さな声で謝罪の言葉を漏らす。
しかし、その目から涙が溢れることは、
ない。
「その子が、秋野弁護士の娘さんですね?」
その場にいた警官が、
葵が抱きかかえた秋野の娘を受け取ろうと近づいてきた。
彼は、事情を知っているよう、だ。
その時、
けたたましいサイレンを鳴らして、
数台の消防車が到着した。
すぐさま、倉庫への放水活動が、始まる。
女の子を警官に預けながら、
倉庫から上がる火の手が小さくなっていくのを、
葵は、ただ、呆然と、見ていた。
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作者名:white12 | 作成日時:2019年7月5日 13時