理不尽な復讐_3 ページ39
ブーッ ブーッ
打ち合わせのため、朝からマナーモードにしていた葵のスマホが振動する。
「あ、結城先生。
先ほどの件ですが…」
白石だ。
かなり急いで調べてくれたのだろう。
「事件の詳細は¬―――。
それと、裁判内容と、判決なんですが、
犯人は、5年の刑期になっています。
えっと、判決が出たのが6月28日、
5年前のちょうど2日前、ですね。
精神的な問題や家庭内の問題などから、情状酌量の余地あり、として判断されたようです。
それで、担当弁護士は、秋野先生だったようで…。」
事件詳細は、
おおかた先ほどネットで改めて確認した情報通りだった。
それ以上の細かいことは、警察側の情報でないと分からないことだろう。
そして、
5年前の、ちょうど2日前の判決で、5年の刑期…。
つまり、その後何事もなかったのであれば、
もう既に刑期を終えたということだ。
情状酌量。
理不尽なような、減刑。
秋野先生。
ある種の推測が浮かぶ。
『お忙しいのに、ありがとうございました』
軽く礼を伝えて、葵は失礼なほどにすぐさま通話を切った。
(ただの推測に過ぎないけど、
でも。)
その時、
カラァン…
倉庫内、上の方から、小さな金属音がした。
何かが倒れる、ような。
2Fの方、だ。
(誰か、いる…?)
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作者名:white12 | 作成日時:2019年7月5日 13時