警察の捜査_2 ページ36
その姿を目で追っていると、
2台の車がキーッと大きなブレーキ音を立てて、
コンテナ周辺に止まるのが見える。
降りてきたのは、
オレンジ色のスーツと帽子を身にまとった、中年男性。
そして、佐藤刑事と、松田、だった。
やや大きめのもう片方の車からは、
防護服を着た十数名の警官が降りてくる。
(爆発物処理班…)
爆弾を処理するため、
様々に配置につく警官たちによって、コンテナ周辺は一気に騒がしくなった。
警官が慌ただしく動くコンテナ周囲とは別方向。
葵は、先ほどの倉庫が気になっていた。
(ぬいぐるみ、って…)
ぎゅう、と締め付けられた感覚の残る頭に、
幼い頃、父親に買ってもらったぬいぐるみが浮かぶ。
父親のことを思い出し、
一瞬思考が乱れる葵だが、
大きく息を吐いて、冷静になる。
(ぬいぐるみ…
綺麗にリボンがかけられていた、
誰かへのプレゼント…?)
熊のぬいぐるみ、
シンプルに考えて、
プレゼント、するのなら、幼い女の子。
(プレゼント…
それとも、
供え、もの…)
出来ればここから離れるように、
と、先ほどの男から言われた言葉は、
葵にはもはや届いていない。
何かを思い出したように、
スマホで何やら検索を始める葵。
そして、その後、
誰かに電話をかけ始めた。
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作者名:white12 | 作成日時:2019年7月5日 13時