逃れられない想いとともに。(3)【松田陣平】 (ページ35)

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警察の捜査ページ35

(え…)

「はっ。ふるや…、あ、いえ、安室さん。
そのコンテナの下から確認した不審物は、計2つです。
先ほどのものと同様の爆弾かと」

葵を尋問していた男は、
ギロリ、と安室に一瞬睨まれながら、そう報告する。

「結城さん…
どうしてこんなところに…」

『あ、あの、』

「そのコンテナ、だな。
風見ここは頼んだ。

彼女を避難させておくように」

葵を見ながら、驚いた様子を見せたが、
瞬時に緊迫した面持ちに戻った安室は、
それ以上葵を追求することはなく、
葵自身も先ほど不審物を確認したコンテナの方へと走っていった。

「ふる…、安室さんのお知り合いですか」

『…』
(探偵として、警察と協力して捜査をしているのだろうか)

しかし、葵にとって今はそんなことはどうでも良く、
それについての思考は回らない。

倉庫前に置かれたぬいぐるみは、
不審物として、風見と呼ばれていた男が回収し、
葵は、とりあえず、コンテナから離れた場所に避難させられた。

「出来れば、すぐにここから離れてください。
安室さんのお知り合いのようですから、
後日事情を伺います。」

『あ、あの、
さっきの倉庫…』

葵の言葉には特に耳を貸さず、風見は奥のコンテナの方へと走っていった。