並べられた赤い箱_2 ページ33
警官やパトカーが来ている気配は、まだない。
コンテナの奥の方を見ると、
スケボーのようなものを持った男の子、が見えた気がした。
(…え)
改めて見ると、誰もいない。
(気のせい、か)
ランドならともかく、子どもがこんなところにいるはずがない、と葵は瞬きをする。
とりあえず、通報…と、スマホを取り出そうとカバンの中を探ると、
ふと、視界の端に映ったあるものに目が止まる。
やや古びた倉庫が。
コンテナとは少し距離がある。
その前に、なにか、袋のようなものが置かれている。
気になって近づいてみると、それは透明の綺麗な袋にラッピングされた、
熊のぬいぐるみだった。
袋にはピンクのリボンがかけられている。
(…え。)
これも…爆発物か、と考えるも、
なぜ、こんなところに、と思案する。
″赤い箱が次々と砕け散る″
赤い箱、コンテナ、を連続的に爆破しようとしているような予告。
それなら、もっと、
コンテナの近くに置いた方が良いはずだ。
コンテナの底のあの箱が爆弾…なら、
あれらはむき出しだったのに、
1つだけぬいぐるみのような形になっているのは変だ。
(…これ、)
ぬいぐるみに目を向けていると、
「動くな、ここで何をしている」
背後から冷たい声、がした。
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作者名:white12 | 作成日時:2019年7月5日 13時