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頭の整理 ページ3

(関わらねぇ…
っても、向かいなんだよな…)

タバコを吸うためベランダに出た松田は、
目の前の路地に目線を向けながら、ため息と共に紫煙を吐き出していた。

1人、見知った姿が向かいのマンションのエントランスへ入っていく。
部屋の時計を見ると、23時を回っていた。


(また、こんな時間に1人で帰宅かよ。

危ねぇ、だろ…
アイツ、襲われたことマジで忘れてんのか)


深入りしない、そう心で呟いたのはつい数日前のこと。
松田は複雑な表情を浮かべ、エントランスの中へ消える葵を見ていた。

―――――
例のひき逃げ事件は、被告の起訴が迫っており、
葵は、神山とともに情報の整理や書類作業に追われていた。

通り魔事件以来、周囲に心配をかけてしまうこともあり、
なるべく早く帰宅するように心がけていたつもりではあったが、
結局終電近く、となってしまった。
正直、忙しいのはありがたい。
仕事に打ち込んでいる時間は、葵にとっては心地良いものだった。


エントランス内の集合ポスト。
ダイヤルを回し、自分の部屋のポストを確認する葵。
数通のDMと、チラシ、そして、1枚の真っ白な封筒が入っていた。
宛名はもちろん差出人の名はない。

DMの類だろうか、と中を見ると1枚の写真が入っていた。

(…?)

取り出してみて葵は一瞬目を見開く。


それは自身が映ったものだった。

胸あたりから上が、いわばアップになったもの。

葵のみが映っている。

(え…)

アップになっているため、周囲の景色はよく分からない。
街路樹か、どこかの店の観葉植物か、何かの葉が映っているだけだ。


エントランス外へ視線を向け、周囲を伺う。

朝はポストを確認しなかったので、
入れられたのは、昨晩帰宅時に確認した22時頃から今の時間の間、ということか。
葵のマンションはオートロックだが、
ポストは当然エントランスにあるため誰でも入ることが出来る。

とりあえずオートロックを解錠し、足早へ部屋へ戻っていく葵。

(イタズラ、か、
それとも、ストーカー?

あるいは…)

上へ登るエレベーターの表示を見つめながら、
心当たりを探るが、特に思い当たらない。

葵の部屋は6Fにある。
鍵を開け、住み慣れた自身の部屋に入り、

ただのイタズラかもしれないし…

と、写真を封筒に入れなおした。

封筒を棚の上に置くと、
その下の小さな引き出しが目に入る。

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設定タグ:名探偵コナン , 松田陣平   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:white12 | 作成日時:2019年7月5日 13時

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