検索窓
今日:33 hit、昨日:4 hit、合計:63,881 hit

喫茶店ポアロにて_2 ページ18

「こ、これ…」

『あ、すみません、間違ってしまいました、ね』

佐伯は目の前に出されたファイルの中身を見て、瞬きを繰り返す。
平静を保とうとしながらも、焦った様子は隠せない。

透明なファイルには、

これまで葵に送りつけられてきた、16枚の写真が入っていた。

『あ、これですか?
上手く撮れてますよねぇ』

ファイルの中から数枚の写真を出して、佐伯に見せるように並べる。

『このジャケット、けっこうお気に入りで。
汚れないように、時々しか着ないんですよね。』

目をぱちぱちさせている佐伯に、葵は淡々と話しかける。

『ただ、どこで撮ったのか、ちょっと覚えていないんですよね。

…どこの景色か、分かります?』

「は…?」

含みを持たせた問いだ。
敢えて、”撮られた”とは言わず、
また、”覚えていない”という、
あくまで葵側の持ち物のような言い方である。

『そういえば、ここの2Fって、毛利小五郎さんの探偵事務所らしいですよ。
それと、ここの店員さんも、探偵さんだとか。

探偵さんって、こういう写真1枚から多くの情報を引き出せるんでしょうね。』

えっと…なんの話…
と、か細い声で漏らしながら、佐伯のまばたきの回数が早くなる。
目の前のコーヒーカップには、
まだ口をつけられないようだ。

喫茶店ポアロにて_3→←喫茶店ポアロにて



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (31 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
64人がお気に入り
設定タグ:名探偵コナン , 松田陣平   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:white12 | 作成日時:2019年7月5日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。