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喫茶店ポアロにて ページ17

翌日14時45分。


「いらっしゃいませ!」
安室の爽やかな声が店内に入った葵を迎える。

今日も梓の姿は見えない。
お休み、
休憩中だろうか。


「あ、また来てくださったんですね。ありがとうございます」

席に着くと、ブレンドコーヒーのみを注文する。
昼食は済ませている。

コーヒーが運ばれてくると、

『あ、あの…』

と葵が口を開く。

「?どうしました?」

『この後打ち合わせの予定なんですが、
少し、うるさくなるかもしれません。
すみません』

葵が、事務連絡のように安室に伝えると、
お客さんも少ない時間帯ですし、大丈夫ですよ、と安室は笑って承諾した。


カバンの中を確認する。
おそらく、間違いない。
チリンチリン。

その10分後に、佐伯が現れた。

「あ…結城先生。
もういらしてたんですね。お待たせして、すみません…」

相変わらず気の弱そうな様子で、
向かいの席に座る佐伯を、
葵は、愛想笑いを浮かべつつ冷ややかな表情で見ていた。

『いえ、あ、コーヒーで宜しいですか?』
「あ、は、はい」

安室にブレンドコーヒーをもう一つお願いすると、
葵は佐伯と視線を合わせる。

「あ、それで…例の件何か進展があったんでしょうか」
『そちらは示談の方向で進みつつありますので、とりあえずご安心ください。
特にトラブルがなければ、大丈夫かと思っています』
「そ、そうですか…」

安心した様子を見せる佐伯の前に、
ブレンドコーヒーが運ばれてくる。

お待たせしました、という安室は小声で伝えて、カップをテーブルに置くと、
すっとキッチンへ戻っていく。
打ち合わせ、と言っていたので気を使ったのだろう。

『お伝えしたい話、というのはですね…』

葵はカバンの中に手を伸ばすと、


バンっ


わざと大きな音を立て、叩きつけるようにテーブルに1枚のファイルを置いた。

「へっ…?」

昨日聞いたような裏返った声を出して佐伯が驚く。
佐伯の前に置かれたカップから、コーヒーが、わずかにこぼれた。

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設定タグ:名探偵コナン , 松田陣平   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:white12 | 作成日時:2019年7月5日 13時

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