特定されたストーカー_2 ページ15
「あ…!
あ…、偶然…ですね…!」
『本当にビックリしました…ちょうどお電話していたところに。
…今日はお休みですか?』
見るからに只の愛想笑いを貼り付けたような、抗議のような表情で葵が問いかけると、
佐伯は、このあたりに友人がいて…と、とってつけたような答えを返した。
『あ、それで…先ほどお話ししていた件なんですが。
明日、米花町の喫茶店でお会いできませんか?ポアロ、というお店なんですが…』
葵がいかにも仕事モードでそう話すと、
は、はい。聞いたこと、あります…。えっと、例の件、でしょうか…
と、問う佐伯。
パワハラ問題は、示談に向かいつつあった。
当初は会社側を訴える、とのことだったが、パワハラを行なった、と訴えられている当人とも話をし、被害者側との間に一部誤解があったことや、当人も十分反省していること、
被害者の転職活動への影響などを考え、やはり事を大きくするのは…と、考えを改めてくれ、示談金で解決しそうであった。
『えぇ、それも、ありますが。少し、お時間いただけると助かります』
明日の15時、喫茶店ポアロでお待ちしていますね。
そう告げて、葵は自宅へ戻って行った。
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作者名:white12 | 作成日時:2019年7月5日 13時