検索窓
今日:30 hit、昨日:4 hit、合計:63,878 hit

特定されたストーカー ページ14

葵はスマホを片手に、周囲を警戒しながら路地裏へと向かった。


ある人物の番号をディスプレイに映し、発信ボタンをタップする。

RRRRR…

数回のコール音が鳴る。

周囲から音は…
聞こえない。

電話の相手には繋がらず、一旦電話を切る。

そして、もう一度発信ボタンを押す。

RRRRR…

「…は、はい」

今度は繋がった。

『あ、すみません。休日に。
今、大丈夫ですか?』

「あ、は、はい」

電話の相手は、少し焦った様子だ。

『少し、お伺いしたい、と言いますか、お伝えしたいことが出てきまして。
来週の打ち合わせ、明日に変更出来ますか?』

そう伝えると、電話の奥で聞き覚えのあるメロディが微かに聞こえた。


「あ、明日ですか?」
『なるべく早い方が良いかと思いまして…』

その人物への接触は、ある種の推測からの賭けではあったが、
相手の焦ったような様子。
そして、
先ほど聞こえてきたメロディ。
推測はさほど外れてはなかったようだ、
と考えながら、葵は会話を進める。

「あ…わ、分かりました」
『では場所は…』

と話を進めながら、
くるりと方向を変え、
ある方角へと足早に向かっていく。

自宅付近の小さなコンビニ。
先ほど電話口で聞こえてきたメロディは、このコンビニ特有のもので、
葵も時々立ち寄る店だ。


『そうですね…
では、明日の15時、米花町にある喫茶店ポアロというお店はいかがですか?』

そう話しながら、コンビニへと足を向ける。
そのまま、店の前の道路でスマホを耳に当て通話中の男の方へ向かった。


『…、偶然です、ね?』
「へ…?」

裏返った声でこちらを振り向いたのは、
製薬会社のクライアント、佐伯だった。

特定されたストーカー_2→←非通知着信_3



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (31 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
64人がお気に入り
設定タグ:名探偵コナン , 松田陣平   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:white12 | 作成日時:2019年7月5日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。