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週末の土曜日。

律は、サロンに花が増えて華やかになった事や、
庭の花壇や畑に苗が植えられている事を、第二テーブルに集まったお母様方に聞いてみた。

ほぼ毎日ここで茶話会を開いている彼女達なら、何か知っているかもしれない。


すると、


「私達じゃないのよ、風ちゃんが お花を持ってきてくれたの」

「そうそう、庭の花壇や畑にもね―――この時期からでも育てやすい物を……って」


「へぇ―――そうだったのか」



面倒事は嫌がりそうな雰囲気だったのに、こんな殊勝な一面があったとは。

処方箋の窓口として動いてくれている件や、
ドラッグストアでの佐々木さんへの説明の丁寧さを見ても、真面目な子だとは感じていたが。


ともあれ、依頼せずとも土台が出来ているのなら申し分ない。

タイミングの良い事に、今日の午後には日向と共に、
彼の祖母もひだまりサロンに来てくれるという。

彼女がこの場所を気に入ってくれると嬉しいのだが―――。






「―――というわけで、
ひだまりサロン園芸クラブの顧問を、風ちゃんにお願いしたいんだ♪」


サロンの椅子に逆向きに座り、背もたれに両腕と顎を乗せるような姿勢で
突然満面の笑顔で話しかけてきたかと思えば、

またもや困りごとを押し付けてきた……
とでも言わんばかりの睥睨を律に向けた風。

だが、彼女が断りを入れる前に、周りのテーブルに座って居たお年寄りたちが
嬉々として声を上げる。


「それは良いわ!皆でお花やお野菜を育てるなんて素敵じゃない」

「うちの冷蔵庫に確か、胡瓜の種が残っておったぞ!持ってこよう」

「いやいや山下さん、育苗管理は大変なのよ?
初心者はほうれん草が葉ネギあたりからはじめなきゃぁ、

ねぇ風ちゃん?」



「いや、あの―――ウチ、やるなんて一言も言ってなぃ………」


風の声は、周囲のお年寄り達の勢い、一瞬にしてかき消された。



処方箋の窓口を引き受けた風は、定期的にひだまりサロンを訪れていた。

その噂を聞きつけた他のサロン利用者達も、
是非に私も……と、処方箋をサロンに持ち寄るようになっていた。


今日も昼前にひだまりサロンに来ては、渡された処方箋処理を行う風に、
律が冒頭の“お願い”を行った事が事の始まりであり、

既に話題は、風が顧問を引き受けるか否かではなく、
引き受ける事前提で何の野菜や花を植えるか……にまで及んでいた。

そして前回同様、
あれよあれよという間に、拒む事が
阻まれるような状況に陥たのだ。

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シオン(プロフ) - この囲碁の影の人は誰か凄く気になります。 (2022年9月27日 7時) (レス) @page49 id: 1c08a873e8 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - 自分のキャラも登場させてくれてありがとごさいます。 (2022年9月19日 22時) (レス) @page38 id: 1c08a873e8 (このIDを非表示/違反報告)
スピカ(プロフ) - 風を出演させて下さりありがとうございます!こんなにも早くサロンのお手伝いができるとは思わなかったのでとても嬉しく思います!風の態度や話し方、律さんへの接し方と日向くんへの接し方の温度差も私が希望通りです!ありがとうございます! (2022年9月19日 16時) (レス) id: 64ca5697bb (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - 律さん、風邪大丈夫になるのですか!心配です。 (2022年9月19日 8時) (レス) @page30 id: 1c08a873e8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:kohaku | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年9月17日 10時

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