Holistic Blue

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そんな事を思案していると、いつものようにサロンに日向がやって来た。

毎日朝から熱心な事だと感心する。
流石に受験生にうつすわけには行かないだろう……。

律はマスクを着用し日向に事情を説明すると、留守番を任せてサロンを出た。




熱があるかもしれない状況で運転を行うのは褒められたことではないと分かってはいるが、
徒歩で向かうにはいささか距離がある。

律は交通の少ない道を選択しながら、
少し遠回りして最寄りのドラッグストアに向かった。





最近は24時間営業のドラッグストアも増えたが、
調剤部門に関してはまだまだ時間を区切っている所も多い。

薬剤師不足も大きな要因だが、日本人は働き過ぎなのだとつくづく感じる。



駐輪場にバイクを停めると、店舗内の配置案内図を確認した。

家庭用血圧計や電子体温計、酸素飽和度測定器は家電量販店でも購入可能だが、
こういったドラッグストアでも、意外に品ぞろえが豊富だったりする。

ガーゼやピンセット、優肌絆や消毒液―――
ちょっとした応急処置に対応できる一式を見繕っては、
次々に籠の中へと入れていった。



時刻は9：00を回ったところ。
そろそろ調剤部門が開く頃だろう―――

バイクのキャリーに入るだろうかと、一抹の不安を抱えながらもレジに向かった律の前には、円背の強い 高齢の女性が杖を突きながら並んでいた。
一度サロンにも来てくれたことがある。確か―――佐々木さんちのおばあさん。

彼女の手には、PTP包装された薬が握られていた。薬品名は……ロキソニン。


(ああ これ、時間がかかるケースだ)

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