Karte.5 同じ思い ページ15
暫く携帯画面を見つめていると、律からの返事が届く。
律の“嬉しい”“ありがとう”のメッセージに、やる気がぐんと引き上げられた。
誰かに必要とされることが、こんなに嬉しいなんて……
僕は早速、スケッチブックを机に広げ、鉛筆を走らせた。
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下書きを描き終えたところで、どうやら僕は机の上で転寝をしていたらしい。
頭の重みで少し痺れた腕をぐっぱと動かし、痛む関節を伸ばすために思い切り背伸びをする。
ふと隣を見ると、ワイヤレススマホ充電器の上に置いていた携帯電話が点滅している。
友達の少ない僕の携帯電話に、誰かからメッセージが届くこと等珍しかった。
思わずにやけてしまった両頬を、気合を入れるためにぱちんと叩くと、ワクワクしながら画面をタップする。
メッセージアプリに表示された、白猫のアイコンの隣の文字を見て、また頬が緩んでしまった。
よれよれのTシャツに無精髭を生やした男と、
この可愛らしい白猫のアイコンがどう考えても結びつかない。
「律さん、似合ってないから」
律から送られてきたメッセージは単純で、たった一言。
『学校の課題持っておいで』
お言葉だが、夏季休暇中の課題は休みが始まって２週間くらいでほぼ終わらせた。
特段友達と遊ぶこともないし、休暇後半に何かがあっても慌てないようにと、
課題を先に終わらせるのは小学校の頃からの癖だ。
携帯画面を見ながら、得意げに一人で鼻を鳴らす。
昨日までと同じ部屋で、同じ机に座って居るはずなのに、
どことなく世界が違って見える。
僕は下書きの書かれたスケッチブックを自転車の籠に入れ、
背中に白いリュックを背負って家を飛び出した。
行き先は勿論、丘の上のひだまりクリニック―――
いや、違った。
今はまだ、“ひだまりサロン”だ。
いつかサロンをクリニックにする。
そんな期待と目標を胸に、僕は坂道でペダルを漕いだ。
清々しい風が髪をかきあげる。
じんわりとにじんだ汗をタオルで拭い、梛木の横に自転車を立てかけた。
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シオン(プロフ) - この囲碁の影の人は誰か凄く気になります。 (2022年9月27日 7時) (
レス) @page49 id: 1c08a873e8 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - 自分のキャラも登場させてくれてありがとごさいます。 (2022年9月19日 22時) (レス) @page38 id: 1c08a873e8 (このIDを非表示/違反報告)
スピカ(プロフ) - 風を出演させて下さりありがとうございます！こんなにも早くサロンのお手伝いができるとは思わなかったのでとても嬉しく思います！風の態度や話し方、律さんへの接し方と日向くんへの接し方の温度差も私が希望通りです！ありがとうございます！ (2022年9月19日 16時) (レス) id: 64ca5697bb (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - 律さん、風邪大丈夫になるのですか！心配です。 (2022年9月19日 8時) (レス) @page30 id: 1c08a873e8 (このIDを非表示/違反報告)
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