extras…κ： 霧の中の朝顔 �� ページ10
「―――りく…」
「上向けないなら、顎押し上げて上向かせてやる。辛い時は隣を歩いてやる。
一緒に“長”になると、誓っただろう？」
陸翔の乱暴な言葉が、ハノンの胸に湧き上がる靄を消し去った。
―――そうだ、長になると……誓ったんだ。
前を向け―――どんなに辛くても、
みんなの“長”であれ――――。
呼吸は平穏を取り戻し、涙はいつの間にか消えていた。
「有難う、陸……。もう、大丈夫よ」
ベッドに伏していた顔を上げると、力強い微笑みを浮かべたハノン。
その笑顔に、陸翔の胸にも安堵が戻る。
「―――そうか。なら、気晴らしに散歩でも行くか？」
「散歩？この時間から―――どこに？」
ハノンは首を傾げた。月は高く上り、まだ静けさの漂う深夜だというのに。
「海だよ……涙は止まったが、そこからオマエを笑顔にするのは、あの色男の役だからな」
「いっ……色男って！！」
顔を真っ赤に染めるハノンに、陸翔はくすくすと笑った。
「私は、大丈夫ですッ！それに―――こんな時間にアポイントもなしに突然訪ねたら…迷惑……ですし―――」
「―――……そうなのか？だったらオレは帰るけど。
あーでも、オレなら……好きな女が辛いとき、自分を頼って来てくれるなら、
朝でも夜でも嬉しいけどな―――」
陸翔は狼から人型へと姿を変えると、窓辺に腰掛け月を見上げた。
「もぉ！陸は自由過ぎます！！いつもアポイントも取らずに突然来るし―――今だって……」
「はいはい…怒られる前に帰るよ！おやすみ、エオ」
そう言い残すと、陸翔は返事を待たずに窓から外へと飛び降りた。
「あっ、待って！陸―――」
慌てて後を追い窓の外を覗き込むが、こんなに明るい月光下でも陸翔の姿を見つけることはできない。
「―――違うのに…有難う、と言いたかったのよ？陸…おやすみなさい」
美しい月に、祈りを捧げる。
黄色い朝顔の幸せを―――来世こそは…と
静かな夜に、思いを馳せて―――
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extras…λ：After � �extras…ι： 交差』 ※リクエスト編→←extras…κ： 霧の中の朝顔 ��
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kohaku(プロフ) - 彩華さん» こちらこそ、過分な評価を有難うございます！！これからも、暁天の星をよろしくお願いいたします！ (2021年7月22日 13時) (
レス) id: cbd072c832 (このIDを非表示/違反報告)
彩華 - kohakuさん» お褒めに預かり光栄です〜！神作者さんのkohaku様に褒めていただけるなんて…感激です(照)これからも「暁天の星」を応援しております〜！ (2021年7月21日 20時) (レス) id: d813620a14 (このIDを非表示/違反報告)
kohaku(プロフ) - 彩華さん» 隼とゼロ…どちらが彼女に甘々ですかね…？（笑）ずっと感じておりましたが、彩華さんのコメント上手過ぎません?!余韻を残して読者を惹きつける力が凄いですよね！！ (2021年7月21日 18時) (レス) id: cbd072c832 (このIDを非表示/違反報告)
kohaku(プロフ) - レイレインさん» 有難うございます！異界の珈琲豆も優雅に淹れてみせるリージュさんですから!!IF世界でも皆様の喉を潤していると解釈しておりました! (2021年7月21日 18時) (レス) id: cbd072c832 (このIDを非表示/違反報告)
彩華 - 気遣いもできて、コーヒーまで淹れるのが上手なリージュさん…本当に素敵ですよね…そして、まさか"あの方"まで登場するとは…可愛い彼女に夢中なゼロさんも可愛らしいですね！ (2021年7月21日 14時) (レス) id: d813620a14 (このIDを非表示/違反報告)
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