extras…ι： 交差 �� ページ5
「お師匠―――」
サヤアの調剤が終わったころ、翡翠の息吹に来客があった。
二階で薬膳料理を食べ終わって寛いでいた陸翔は、その人物の“匂い”に反応して腰を上げる。
来客があったならと、1階の応援に降りようとするハノンの腕を掴んだ。
「―――……」
その“匂い”を、陸翔は知っていた。
数日前―――隼から、自分達の周りを嗅ぎまわっている奴がいると聞かされていたのだ。
調べられているのは恐らく“黒塊”について…陸翔にも、警戒するようにと伝えていた。
(オレの周りを嗅ぎまわっていた男は、確か―――デュプリケートと言ったか……アイツと同じ匂いがするが…纏うマナの量が桁違いだ)
「“本体”が来たという事か……？」
「陸？」
腕を掴んだまま黙り込む陸翔の表情から、何かが起こっている事を察するハノン。
「陸―――私に何か、できる事ある？」
「―――今入ってきたヤツの、情報が欲しい。危険があればすぐに行く。エオにもサヤアにも―――」
「大丈夫よ―――」
険しい表情を見せる陸翔の口の前に人差し指を向けると、ハノンはニコリと笑った。
「ここはエルフの里―――私の領地内で、争い事は起こさせないわ」
(―――それは、そうか…)
苦笑いを浮かべる陸翔にこくりと頷くと、ハノンはお盆を持って1階へと降りた。
「いらっしゃいませ―――サヤアちゃん、お客様？」
そこには、サヤアと親し気に話す金髪翠眼の男がいた。
ハノンは初見の顔だが、陸翔は彼を警戒しているようだ。
「あ、長！大丈夫よ、彼は客じゃないから」
「何ですか、お師匠――俺の扱い雑じゃないですか？」
サヤアが手を振ると、男は不服そうに目を細める。
どうやら、彼女の知り合いのようだが―――。
素直なハノンの、戸惑いの表情を察した男は丁寧にお辞儀を見せた。
「貴女が、エルフの里長の姫君ですか―――。
初めまして、魔法使いの里副長を務めます、ゼロ＝アリセシアと申します」
男は、ニコリと微笑みながらあっさりと名乗り出た。
「サヤアさんには薬についての指導を頂いていますので、師匠と呼ばせて頂いているんです」
丁寧な挨拶は、寧ろ好印象だ。
隣にいるサヤアも、彼を警戒している様子はない。
寧ろ揶揄ってすらいる。
「逆にあんたに“サヤアさん”なんて呼ばれた気持ち悪いわ？」
「酷いなぁ、“サヤアちゃん”」
声色に色気を交えて揶揄うゼロに、サヤアは身震いの素振りを見せた。
冗談を交わせる師弟仲…という事か。
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kohaku(プロフ) - 彩華さん» こちらこそ、過分な評価を有難うございます！！これからも、暁天の星をよろしくお願いいたします！ (2021年7月22日 13時) (
レス) id: cbd072c832 (このIDを非表示/違反報告)
彩華 - kohakuさん» お褒めに預かり光栄です〜！神作者さんのkohaku様に褒めていただけるなんて…感激です(照)これからも「暁天の星」を応援しております〜！ (2021年7月21日 20時) (レス) id: d813620a14 (このIDを非表示/違反報告)
kohaku(プロフ) - 彩華さん» 隼とゼロ…どちらが彼女に甘々ですかね…？（笑）ずっと感じておりましたが、彩華さんのコメント上手過ぎません?!余韻を残して読者を惹きつける力が凄いですよね！！ (2021年7月21日 18時) (レス) id: cbd072c832 (このIDを非表示/違反報告)
kohaku(プロフ) - レイレインさん» 有難うございます！異界の珈琲豆も優雅に淹れてみせるリージュさんですから!!IF世界でも皆様の喉を潤していると解釈しておりました! (2021年7月21日 18時) (レス) id: cbd072c832 (このIDを非表示/違反報告)
彩華 - 気遣いもできて、コーヒーまで淹れるのが上手なリージュさん…本当に素敵ですよね…そして、まさか"あの方"まで登場するとは…可愛い彼女に夢中なゼロさんも可愛らしいですね！ (2021年7月21日 14時) (レス) id: d813620a14 (このIDを非表示/違反報告)
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