第37夜：その日の為に �� ページ27
はぁ・・・・はぁ―――
はぁ―――ッ
息が上がる。額から滴る汗を拭いながら、隼とシドは周囲を見渡した。
辺りを埋め尽くしていた黒塊は全て消え去り、
灰と化したソレが 湿度を含んだ森の風に流される。
「生きてる？」
「ああ―――そっちは？」
「なんとか…ね。きッつ！！」
互いに背を向かい合わせ、その場に座り込む二人。
「あーでも、陸翔さんの修行より楽かも」
「言えてる。俺も―――長に押し付けられた雑務より大分楽だ」
「なんだ……長に感謝？」
「今だけ、な―――」
顔を見合わせる、シドと隼……
命がけの戦闘―――だけど、独りじゃない
隣に君がいるから 立ち上がれる。
二人は互いに腕を伸ばし、手の甲を交わした。
その様子を、木の枝から見守っていた陸翔とレノン。
飛び込んだ黒塊達を一掃し急いで戻ったが、どうやら手出し無用だったようだ。
「やるなぁ、あいつ等」
「ああ―――。見つけたんだな、バディを……」
「……あいつ等が仲間と共に黒塊(神の悪戯)に抗うなら―――ワタシは持てる力を全て使ってでも、あいつ等を導いてやりたいと思うんだ―――」
レノンは二人を微笑ましく見つめながら、目を細めた。その様子を、横目見る陸翔もまた、口元を綻ばせた。
(オレも―――同じ思いだよ、レノン。目指すモノが同じだから…だからオレは、オマエに背中を預けて闘えるんだ)
「さて―――帰って祝杯でも挙げるか！」
「良いな！丁度Dreamerの酒を仕入れているんだ！」
「おっ！準備良いじゃないか―――じゃぁ、獣人の里に集合な！」
４人は森を後にした―――
あれだけの数の黒塊を、４人で相手したのだ。当然こちらも無傷なわけではない。
互いの傷を確認するが、幸い致命傷を負った者はいない―――
あえて上げれば、
陸翔達が到着するまで一人で戦っていた隼の背部に 抉られた傷が最も深いだろうか。
「戻ったら―――まずは手当だな」
「直ぐに里の薬師を用意させよう」
先を行く陸翔達…隼は黒塊達が蠢いていた森を、振り返る。
何も―――残されていないその場所を見つめ、灰に汚れた黒い手袋を開いた。
掌が…まだ震えが、消えない。
分かっている―――頭では、理解している…
それは、黒塊を諦めないと誓ったあの日から覚悟していた事―――
「―――――――――」
呟くように、囁くように 口を開く隼。
その声は灰と共に―――森の風に流された。
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美園(プロフ) - kohakuさん» うん可愛いですね…陸翔さんと勝負して負けてもぉなんで！って言って陸翔さんに揶揄われるというか遊ばれるというかなんかそんな感じのが目に見えます笑まぁ結論は可愛いは正義ですね (2021年8月16日 21時) (
レス) id: 62efdfcc66 (このIDを非表示/違反報告)
kohaku(プロフ) - 美園さん» そんなハノンさん可愛い！練習用サクランボは沢山ありますから♪自信満々に、「陸、勝負よ！」と言いながら、可愛く負けて欲しい（笑） (2021年8月16日 21時) (レス) id: cbd072c832 (このIDを非表示/違反報告)
美園(プロフ) - 結べないのも可愛いですよね…意外と負けず嫌いなハノンは影で練習してるかも？まぁ可愛いですね♪ (2021年8月16日 21時) (レス) id: 62efdfcc66 (このIDを非表示/違反報告)
kohaku(プロフ) - 美園さん» ですよね！必死な二人が可愛い♪さて、どちらが勝ったのでしょうか（笑）私的には、この二人、結べないくらいな方が可愛くて良いですけど♪ (2021年8月16日 21時) (レス) id: cbd072c832 (このIDを非表示/違反報告)
美園(プロフ) - 改めてみてさくらんぼのところハノンとリリアちゃん可愛すぎる…尊い！どっちが勝ったんでしょうねふふふ（（ (2021年8月16日 21時) (レス) id: 62efdfcc66 (このIDを非表示/違反報告)
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