第35夜：Engagement――― �� ページ19
姉のリリアと共にハノンの茶会に呼ばれていたアリア。
途中、隼の“色”を感じると窓の外を気にし、「探しておいで」と二人の長から揶揄われながら抜け出した訳だが、
そろそろ長達のところへ戻らなければ申し訳ない。
ハノンの屋敷までは一緒に行こうと歩く道中、
隼(ミスト)は思い出したように問いかけた。
「ところでアリア―――」
「ん？」
「あれ……どういう意味？」
「あれ？」
―――ミストは怒るととてもメンドクサイから…
シノンに告げ口したアリアの一言。
(ああ。あれ……)
それ以上の事が起きたから、すっかり忘れていた。
「苦手なんだ―――僕」
「苦手？」
「あんたが―――怒ったり、泣いたりすると、どうしていいか分からない。
どう声を掛けたら笑ってくれるのかとか、機嫌を直してくれるのかとか…解らない。
だから、困る。面倒だ―――」
気まずそうに頬を掻くアリアに、隼は吹き出し笑う。
「ふっ―――っははは！！！」
「なんだよ！僕はそれだけあんたの事……」
ムキになって言いかけたアリアの唇を、隼が人差し指でふにっと塞ぐ。
「そんな可愛い理由なら―――言っちゃダメだね。もっと困らせたくなるから」
「なっ！」
ぽんと肩を押されて我に返る。気づけば、ハノンの屋敷の前まで来ていた。
「―――……っあ」
「近い未来“wedding ring(本物)”を送るから
―――“俺”をアリアの“お嫁さん”にしてね」
ひらひらと手を振ると、エルフに扮したミストの姿は、
エルフの人波に紛れて見えなくなってしまう。
気配を消しているのか…彼の“色”を辿る事も出来ない。
「言い逃げなんて、ずるいぞっ―――」
アリアは左手の薬指をぎゅっと握った。
・
・
・
・
・
第36夜：再来 �、�←第35夜：Engagement――― ��
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
美園(プロフ) - kohakuさん» うん可愛いですね…陸翔さんと勝負して負けてもぉなんで！って言って陸翔さんに揶揄われるというか遊ばれるというかなんかそんな感じのが目に見えます笑まぁ結論は可愛いは正義ですね (2021年8月16日 21時) (
レス) id: 62efdfcc66 (このIDを非表示/違反報告)
kohaku(プロフ) - 美園さん» そんなハノンさん可愛い！練習用サクランボは沢山ありますから♪自信満々に、「陸、勝負よ！」と言いながら、可愛く負けて欲しい（笑） (2021年8月16日 21時) (レス) id: cbd072c832 (このIDを非表示/違反報告)
美園(プロフ) - 結べないのも可愛いですよね…意外と負けず嫌いなハノンは影で練習してるかも？まぁ可愛いですね♪ (2021年8月16日 21時) (レス) id: 62efdfcc66 (このIDを非表示/違反報告)
kohaku(プロフ) - 美園さん» ですよね！必死な二人が可愛い♪さて、どちらが勝ったのでしょうか（笑）私的には、この二人、結べないくらいな方が可愛くて良いですけど♪ (2021年8月16日 21時) (レス) id: cbd072c832 (このIDを非表示/違反報告)
美園(プロフ) - 改めてみてさくらんぼのところハノンとリリアちゃん可愛すぎる…尊い！どっちが勝ったんでしょうねふふふ（（ (2021年8月16日 21時) (レス) id: 62efdfcc66 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
