第16夜：Lost memories �� ページ8
あの時の、アリアの言葉が蘇る。
きっと彼女は、この“感覚”を表現したかったのだろうか。
ベッドサイドに座る“アリア”は、顔をしかめたまま変装を解いた。
目を引く金髪がさらりと揺れ、紺色のシルクハットとジャケットを羽織った少女の、紅色のスカートから覗く白い脚が、気だるそうに組み替えた。
その左目からは、血のように赤い花が咲いている。
―――ソリティア・ヴァイオレット……。
隼が師と仰ぐリリンとはまた雰囲気の異なる美しい所作と品のある言葉遣いに、騙されることなかれ。
見た目は成人も迎えぬ少女のようだが、その正体は『深紅の切り裂きジャック』の異名を持つ吸血鬼の長である。
彼女は自身の血液を使って武器を作成したり、変幻自在に変装することが出来るのだ。
「また出たわ……ハヤトの惚気。アリアさん本人には言えない、ヘタレの癖に」
(悪かったな……ヘタレで)
隼はフイと視線をそらせた。
なぜ、隼が吸血鬼の長であるソリティアと、冗談を交す事を許されているのか―――
鬼と吸血鬼―――人外の中でも種族的に近しい二人は、親同士が友人という事もあり隼にとっては幼い頃から共にいる姉のような存在だった。
成長し、結果的に吸血鬼の里の長まで上り詰めたソリティアとは立場も異なり、
昔のように慣れ合うことが難しくなると、それぞれに互いの道を歩んでいく……
流れとは、ならなかった。
長になりながらも昔と変わらない交流を続けているのだ。
上品な言動とは異なるソリティアの本心を知る隼は、プライベートでは多少の失礼な物言いも許されている様子。
(大体―――揶揄されるほど遅くまで寝ていたか？俺……)
ふと、手元の時計を見ると、床に就いてから２時間ほどしかたっていない。
「嘘だろ―――まだこんな時間じゃないか」
「”もう、こんな時間”ですわよ？朝食、付き合って差し上げても良くってよ？」
今更言葉遣いを着飾っても遅い。
(―――……どうせ、珍しいもの目当てに来たんだろうに)
気だるい四肢を伸ばしながら寝室を出ると、ソリティアもそれに続いた。
一人暮らしには広すぎる屋敷の幾つもある空き部屋の一つに入ると、
普段身に着けている黒い手袋を装着し、
大きな絹布の掛けられた一枚の絵を彼女に差し出した。
「あら―――」
一瞬で絵画だと理解しにんまりと微笑んだソリティアもまた、両手に白い綿手袋を装着して受け取ると、丁寧な手つきで絹布を取り外し、絵(中身)を確認する。
「これは―――」
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kohaku(プロフ) - レイレインさん» 有難うございます！師弟の回はもう少し続きます…！ (2021年5月27日 7時) (
レス) id: cbd072c832 (このIDを非表示/違反報告)
レイレイン - この陸翔と隼の関係、好きです！やっぱり結局は師弟なんだな。と温かくなります。 (2021年5月27日 6時) (レス) id: b67eda2bb0 (このIDを非表示/違反報告)
美園(プロフ) - いえいえ、こちらこそ身内みたいで見てて微笑ましいです！これからも身内みたいな幼馴染お願いします笑 (2021年5月26日 18時) (レス) id: 0b7aaa97b0 (このIDを非表示/違反報告)
kohaku(プロフ) - 美園さん» すみません…CSの関係逸脱してしまっていますかね…（汗）ハノンさんの事は、身内のように心配して、大事にしています！（陸翔達のCSで、ハノンさんとの関係欄のセリフ参照位に…照） (2021年5月26日 18時) (レス) id: cbd072c832 (このIDを非表示/違反報告)
セレーネー(プロフ) - kohakuさん» よし、応援します！頑張れ！隼さん！ (2021年5月26日 18時) (レス) id: f5691cda52 (このIDを非表示/違反報告)
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