第16夜：Lost memories �� ページ7
沼の底に沈み込むような全身の倦怠感が、夢と現の境目で、四肢の自由を奪う。
肺を圧迫される少しの息苦しさと、無理やり意識が覚醒させられた反動か、頭痛が嫌に酷い。
昨日―――いや、正確には今日の夜明け前まで
あれこれと処務を行っていたせいだろうか。
「―――……ううっ―――」
不自然に胸部にのしかかる“重み”で、隼は薄っすらと目を開けた。
視界には柔らかな光が映つる。
「起きて―――ハヤト」
胸の上から、心地の良い甘い声が囁く。この声は……
「―――……アリア？」
肩まであるさらさらとした朱色の髪を傾け、赤色の瞳はニコリと微笑んだ。
寝ぼけているのかと、疑いたくなる。
ベッドサイドに腰掛け、隼の身体にもたれかかる様に転がっているのは、愛しい人―――？
「フフっ―――いつまで寝ているの？早く起きないと、悪戯しちゃうわよ？」
(―――……そんなわけあるか)
心の中で突っ込みを入れ圧迫された胸から小さくため息を吐き出すと、隼は勢いよく掛け布団を捲り上げた。
「きゃっ！」
その勢いで、アリアの姿をしたソレは、足元へと転がる。
態勢を崩され、むくりと起き上がると、少しばかり頬を膨らませた。
「せっかく起こしてあげたのに、酷いわ―――ハヤト」
「酷いのはどっちだ……“ティア”」
隼の言葉に、目の前の“アリア”はにんまりと口元を綻ばせた。
「あら！変装がバレてたの――？いつまでも寝ているぐうたらな愚弟を、
ハッピーに起こしてあげたのに。
恋人に起こされるのは、嬉しかったでしょう？」
「―――……起こしてくれたのが“本物のアリア”だったら、な。
まぁ、そのまま帰せる自信はないけど」
ベッドの上で胡坐を組み不機嫌に悪態をつく隼に、彼女はベッドサイドに座り直し、きょとんと首を傾けた。
「あら、何がいけませんでした？私の変装は、どこからどう見てもハヤトの大好きな精霊の副長、アリアさんじゃなくて？」
彼女はアリアの顔で、納得がいかないとばかりに問いかけた。
「見た目だけなら、な。アリアはそんな言葉遣いしないし纏う雰囲気も違う」
纏う雰囲気もオーラも。うまく表現できないが、“アリアには、彼女だけが纏う空気がある。
そう…それはきっと―――。
「魂の―――色かな」
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kohaku(プロフ) - レイレインさん» 有難うございます！師弟の回はもう少し続きます…！ (2021年5月27日 7時) (
レス) id: cbd072c832 (このIDを非表示/違反報告)
レイレイン - この陸翔と隼の関係、好きです！やっぱり結局は師弟なんだな。と温かくなります。 (2021年5月27日 6時) (レス) id: b67eda2bb0 (このIDを非表示/違反報告)
美園(プロフ) - いえいえ、こちらこそ身内みたいで見てて微笑ましいです！これからも身内みたいな幼馴染お願いします笑 (2021年5月26日 18時) (レス) id: 0b7aaa97b0 (このIDを非表示/違反報告)
kohaku(プロフ) - 美園さん» すみません…CSの関係逸脱してしまっていますかね…（汗）ハノンさんの事は、身内のように心配して、大事にしています！（陸翔達のCSで、ハノンさんとの関係欄のセリフ参照位に…照） (2021年5月26日 18時) (レス) id: cbd072c832 (このIDを非表示/違反報告)
セレーネー(プロフ) - kohakuさん» よし、応援します！頑張れ！隼さん！ (2021年5月26日 18時) (レス) id: f5691cda52 (このIDを非表示/違反報告)
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