第24夜： 二重の罠 �� ページ44
あえて美しい魔女を選んだのには、きちんと理由がある―――。
隼がカウンターに座ってから、その容姿に油断した男共が“ミスト”に声をかけるまでには大して時間を要しない。
一人目が掛かったのは、隼が一つ目のサンドイッチを口に入れようとしたその時だった。
「君、一人？」
「二人いるように、見える？」
「いいや、可愛い女の子は君一人だ」
「―――――……」
手に持ったサンドイッチをぺろりと食べてしまうと、ニコリと微笑みで返した。
この程度の軟派に動じるわけがない。
カウンター後ろのテーブル席で交わされる会話から、有益な情報がないかを聴きながら、
目の前の男の会話に適切な相槌を打つ。
諜報活動を感じさせないこの状況こそ、隼が意図して作り出したスタイルだ。
後ろの会話に集中したい時は、ナンパ男の得意分野についてを訊ねてみる。
すると、酔いの勢いもあってか一人で自慢話を喋り出すから、
相槌の回数が少なくていい。
(―――っと、危ない。確かリリン様から“もう少し楽しそうに。
相手の話に興味を持っているように相槌をうってみて”と注意されていたっけ……)
ついつい後ろの情報に耳を傾け過ぎた隼は、思い出したように男に視線を合わせる。
すると男は、酔いのまわった赤ら顔に一瞬で熱を重ね、
再び上機嫌で自慢話を続けた。
(………ちょろいな。流石―――リリン様直伝の“オトし術”……)
流石、魔法使いの里だけあり、魔法に関する情報は惜しげもなく飛び交う。
貴重な素材の発掘場所については、隼もついつい聞き入ってしまった。だが、ざわざわ宿に泊まってまでこの里にとどまったのは、素材の情報の為ではない……。
(読みが甘かっただろうか―――。
変わり者で軟派と噂のある“あの人”の興味を引きそうな種は置いてきたと思ったんだけど・・・・・)
隼にの“ターゲット(本命)”情報がまだ得られていないのだ。
愛想よく相槌を打っていた隼だが、目の前に黄色いリキュールを差し出されて思わず顔をひきつらせた。
「魔女のお嬢さん―――お酒入ってないじゃないか…俺のおすすめ飲んでみな？」
「私、そんなにお酒強くないですよ……」
軽く断りを入れては見るが、男は「大丈夫、大丈夫」といやらしい笑みを浮かべる。
酒場に来て、酒を飲まないのは確かに不自然だが、コレはまずい。
店内で出されるすべての酒のアルコール濃度を把握している隼は、
苦笑いを悟られぬように次の断り文句を探った。
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kohaku(プロフ) - レイレインさん» 有難うございます！師弟の回はもう少し続きます…！ (2021年5月27日 7時) (
レス) id: cbd072c832 (このIDを非表示/違反報告)
レイレイン - この陸翔と隼の関係、好きです！やっぱり結局は師弟なんだな。と温かくなります。 (2021年5月27日 6時) (レス) id: b67eda2bb0 (このIDを非表示/違反報告)
美園(プロフ) - いえいえ、こちらこそ身内みたいで見てて微笑ましいです！これからも身内みたいな幼馴染お願いします笑 (2021年5月26日 18時) (レス) id: 0b7aaa97b0 (このIDを非表示/違反報告)
kohaku(プロフ) - 美園さん» すみません…CSの関係逸脱してしまっていますかね…（汗）ハノンさんの事は、身内のように心配して、大事にしています！（陸翔達のCSで、ハノンさんとの関係欄のセリフ参照位に…照） (2021年5月26日 18時) (レス) id: cbd072c832 (このIDを非表示/違反報告)
セレーネー(プロフ) - kohakuさん» よし、応援します！頑張れ！隼さん！ (2021年5月26日 18時) (レス) id: f5691cda52 (このIDを非表示/違反報告)
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