第21夜：天原に輝く蒼い月 �� ページ30
ハク(白鷹)の顔からは、表情がうまく読み取れないが、隼が呆れたのは言葉遣いから想像がつく。ハクはトントンと床を跳ねると、隼の身体が寝かされたベッドに跳ね乗った。
『陸翔さんが―――ハノン様を過剰に気に掛けるのは、そのせいですか？』
「だから…なんでそこでエオ(幼馴染)がでてくる…」
顔を引きつらせながらも、視線を逸らせる陸翔。
ここまで話しておいて、今更誤魔化しなど通用しない事は、彼自身も判っている。
「アイツも、自己犠牲的で利他行動の代名詞からだからな……。察しの通り――エオが、“姫”みたいになる事を恐れてる。エオだけじゃない…―――オマエも、里の者も、群の奴等(子供達)も…“大事な者”が多いと、心配事が尽きなくて困る。」
―――近くにある大事なもの位…さくっと自信満々に守ってやれたらカッコいいのだろうが。いつまで経ってもかっこ悪いまま(こんなん)じゃ、姫にも愛想つかされちまうな―――
肩を竦め、苦笑いを見せた陸翔。
―――愛してる……か。
やっぱり、陸翔さん…カッコいいです。
ハクは、口にくわえた木の実を隼の顔元で割り砕くと、中から白い煙が零れ立った。
すると、青紫の瞳がゆっくりと開く。
「―――ハヤト？」
睡眠作用のある薬剤を、打ち消すための木の実…。
あらゆることを想定し、使用する薬と拮抗作用がある薬を用意しているのは常識。
ベッドから身体を起こすと、隼は足を組んで照れ笑いを浮かべた。
鬼の副長ではなく…少年鬼の、あどけない微笑み。
きっと陸翔も昔は―――こんな風に笑っていた。
「俺も―――大切な人はこの手で守りたい…だけど、黒塊を追う事は諦めたくない―――
危険も心配もさせてしまうけど―――隣にいるのはアリアがいい…」
「おい…その続きは――――」
(本人に言わなきゃ意味がない―――)
隼の言葉を止める陸翔に、にんまりと笑みを返す。
「陸翔さんみたいに、カッコよく言えるように―――強くなりたいです。
だから俺を、助けてください…師匠」
―――自立とは、”助けてほしい”といえる事。
少年鬼だと思っていたのに――――オマエは、”強い”よ…隼。
「―――しゃぁねぇな。助けてやる」
蒼い月が、その笑顔を優しく照らす
守って見せる…次の世代を―――暁天の星を
夜明けまで
なぁ…そうだろう？ ――― 姫 ……
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kohaku(プロフ) - レイレインさん» 有難うございます！師弟の回はもう少し続きます…！ (2021年5月27日 7時) (
レス) id: cbd072c832 (このIDを非表示/違反報告)
レイレイン - この陸翔と隼の関係、好きです！やっぱり結局は師弟なんだな。と温かくなります。 (2021年5月27日 6時) (レス) id: b67eda2bb0 (このIDを非表示/違反報告)
美園(プロフ) - いえいえ、こちらこそ身内みたいで見てて微笑ましいです！これからも身内みたいな幼馴染お願いします笑 (2021年5月26日 18時) (レス) id: 0b7aaa97b0 (このIDを非表示/違反報告)
kohaku(プロフ) - 美園さん» すみません…CSの関係逸脱してしまっていますかね…（汗）ハノンさんの事は、身内のように心配して、大事にしています！（陸翔達のCSで、ハノンさんとの関係欄のセリフ参照位に…照） (2021年5月26日 18時) (レス) id: cbd072c832 (このIDを非表示/違反報告)
セレーネー(プロフ) - kohakuさん» よし、応援します！頑張れ！隼さん！ (2021年5月26日 18時) (レス) id: f5691cda52 (このIDを非表示/違反報告)
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