第21夜：天原に輝く蒼い月 �� ページ27
人間の分類学の用語を借りるなら、哺乳類は基本的に一夫多妻制である。
これは、より多くの子孫を後世に残す為の知恵であり、
種の保存では当たり前の事だった。
餌ともいえる人間の学問を借りて“分類”されることにはいささか抵抗を感じるが、
人に何かを伝えるには確かに便利な事は認める。
それによると、“イヌ科”に分類される“狼”種が、一夫一妻制や複数年の子どもが群れに残る事は、
他の哺乳類から見れば例外的だという。
イヌ科の“家族群”という独特の社会は、大型の獲物を集団で狩ることによって進化してきた。
“言葉”により緊密なコミュニケーションを取り、群の中での順位制を守る。
そして、自己犠牲的な利他行動を伴う仲間への信頼―――。
狼の群れには順位が存在し、群の最上位ペアが繁殖を行う。
メスが巣穴にこもって子育てし、群れの他の狼も子育てを手伝うという“家族”が存在する。
狼男の里にはいくつもの群…“家族”が存在するが、
長である陸翔もまた例外ではない。
彼が普段近衛として傍に置く狼達は、彼の“家族”であった。
「“姫”は―――オレの群れの最上位のメスだった。恋人―――？じゃない…“妻”か。」
長の妻であるから、当然里にとっての母…。美しく聡明でありながら、狩りやら戦闘に出かけて戻らない夫に代わり、長の代行として里をまとめて家族を守る、芯の強い女だった。
『―――最上位のメス“だった”とおっしゃいましたが…今の最上位のメスは別にいるという事ですか？』
ハクが口を開く。陸翔は隠す仕草も見せず、素直に首を縦に振った。
「常に危険と隣り合わせで弱肉強食の獣の世界においては、
“最上位”は呆気なく変わる。
オレが長に着いてからはずっと姫が隣を歩いてくれたが、
姫の亡き今はメスの順列２位だったオレの娘が繁殖相手だ」
あまりに自然過ぎて、言葉を挟む余裕もなかった。
―――姫の亡き今……。
陸翔の妻は、子育てのために巣穴(家)にこもっており、滅多に顔を出さない。
だからこそ、彼女の存在(情報)を得るために隼もかなり骨を折られたのだが、
まさか亡くなっており順列が変わっていたとは―――。
『―――まさか、亡くなられていたとは……』
声を落とすハク。
「何？突っ込まれるのそっち？俺は実の娘をパートナーにしてるって方が、他部族には衝撃だと思ったけれど？」
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kohaku(プロフ) - レイレインさん» 有難うございます！師弟の回はもう少し続きます…！ (2021年5月27日 7時) (
レス) id: cbd072c832 (このIDを非表示/違反報告)
レイレイン - この陸翔と隼の関係、好きです！やっぱり結局は師弟なんだな。と温かくなります。 (2021年5月27日 6時) (レス) id: b67eda2bb0 (このIDを非表示/違反報告)
美園(プロフ) - いえいえ、こちらこそ身内みたいで見てて微笑ましいです！これからも身内みたいな幼馴染お願いします笑 (2021年5月26日 18時) (レス) id: 0b7aaa97b0 (このIDを非表示/違反報告)
kohaku(プロフ) - 美園さん» すみません…CSの関係逸脱してしまっていますかね…（汗）ハノンさんの事は、身内のように心配して、大事にしています！（陸翔達のCSで、ハノンさんとの関係欄のセリフ参照位に…照） (2021年5月26日 18時) (レス) id: cbd072c832 (このIDを非表示/違反報告)
セレーネー(プロフ) - kohakuさん» よし、応援します！頑張れ！隼さん！ (2021年5月26日 18時) (レス) id: f5691cda52 (このIDを非表示/違反報告)
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