第23夜：終わりの始まり �� ページ38
―――退屈だ。
そんな脳内を微塵も感じさせず、真剣な表情で報告を受けると、
最後はニコリと微笑んで
「有難う、君の報告は解り易くて助かるよ。有能な部下を持てて幸せだ…引き続き里の為に頼んだよ―――」と、礼を述べれば
、部下の男はきりりと顔を引き締めて「了解しました」と書斎を出ていく。
―――世界は……退屈だ。
ゼロは書斎の窓から空を仰いだ。
世界はこんなに広いのに……どうしてこうも、満たされない―――？
青い空も、鳥の囀りも…こんなに美しいはずなのに。
はぁ……
肺の中の空気を、満たされない感情と共に吐き出した。
『そう言えば―――』
珈琲のお替りをカップに注ぐデュプリケートが、ゼロの視界にさかさまに映る。
『数年前でしたか…鬼の里横にある森で、大規模な空間転移が発生したようです』
「―――ん？十年前の大規模空間転移は、狼里の近くの森ではなかったか？
確か、森を1/3失う程の、今までにない大規模な空間転移があったという…」
十年も前の記憶の為に定かではないが、旅先に定期的に送られるデュプリケートの報告に、
そのような内容があった事を記憶している。
大規模な空間転移の場合、ほとんど証拠となるものは残されていないが、
闇の噂では今までに類を見ない大規模空間転移のほぼ中心地に居ながら、
その里の長一行が生きて戻ってきたとの情報を受けて 驚いた記憶があった。
デュプリケートはこくりと頷くと、空間に映像情報を転写した。
一見SF(サイエンスフィクション)の技術のようだが、
これも彼ら“魔法使い”の使う“魔法”の一種である。
『―――その後ですね。数年以内に空間転移が立て続けに起こるのは、珍しい事です。こちらは詳しい被害状況がいまだ解っていません』
身体を起こして姿勢を正すと、ゼロは指を払いのける仕草で映像情報を繰って確認する。
「まぁ―――状況証拠から十中八九“マザー黒塊”というやつだろうな……」
『でしょうね―――』
「―――……それで？ここ数年情報に上がる“マザー黒塊”の出所は掴めたのか？」
ゼロは、翠の瞳をぎろりとデュプリケートに向けた。
冷たい視線に射られたデュプリケートだが、表情を変えずに首を横に振る。
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kohaku(プロフ) - レイレインさん» 有難うございます！師弟の回はもう少し続きます…！ (2021年5月27日 7時) (
レス) id: cbd072c832 (このIDを非表示/違反報告)
レイレイン - この陸翔と隼の関係、好きです！やっぱり結局は師弟なんだな。と温かくなります。 (2021年5月27日 6時) (レス) id: b67eda2bb0 (このIDを非表示/違反報告)
美園(プロフ) - いえいえ、こちらこそ身内みたいで見てて微笑ましいです！これからも身内みたいな幼馴染お願いします笑 (2021年5月26日 18時) (レス) id: 0b7aaa97b0 (このIDを非表示/違反報告)
kohaku(プロフ) - 美園さん» すみません…CSの関係逸脱してしまっていますかね…（汗）ハノンさんの事は、身内のように心配して、大事にしています！（陸翔達のCSで、ハノンさんとの関係欄のセリフ参照位に…照） (2021年5月26日 18時) (レス) id: cbd072c832 (このIDを非表示/違反報告)
セレーネー(プロフ) - kohakuさん» よし、応援します！頑張れ！隼さん！ (2021年5月26日 18時) (レス) id: f5691cda52 (このIDを非表示/違反報告)
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