第２夜：info. �� ページ5
狼男の里―――
「長、長ぁ！！……陸翔さんッ」
深紫の尻尾が元気よく揺れる。
里の子供達に剣の稽古をつけていた陸翔はその声に振り向いた。
「ハヤトか、どうした？」
狼男の姿に変装した隼が少し興奮気味に駆け寄った。
「東の森に“人間”が迷い込んでいるようですよ？！どうします、狩りますか？！」
「おおお！！！」
周囲にいた狼男達からも声が上がった。
人間は、珍しい。
そして、その血肉は美味だと噂されている。
「でかした！ハヤト！！」
「長、行きましょう！！他の種族に取られる前に 狩っちまいましょう！！」
「―――……よし、正確な場所と人数を聞こうか？ハヤト」
陸翔が背に太刀を戻すと、隼はニコリと微笑んだ。
「場所は東の森、武装はなし。
人数は３名…オス２名とメスが１名でそのメスが、なかなかの美人だとか」
「よっしゃぁ！！行くぜ東の森！！」
「いいですよね？長！！」
狩りに行く気満々の兄弟子たちの背中をにこにこと笑顔で見送る隼に、陸翔はこっそりと耳打ちした。
「で？他の奴らにはこの情報言ったのか？」
隼は情報屋…。
この情報を、自分達よりも先に他のクライアントに提供している恐れもある。
ましてや狼男の姿に偽ってはいるが、その正体は鬼族。
先日その本来の姿を目にしたばかりだった。
「オレの事、疑っていますか？陸翔さん」
「いや、そういうわけじゃないが……」
視線を逸らせる陸翔に、隼は兄弟子たちに分らぬように、クスリと笑った。
「この情報提供は、陸翔さんだけです。
情報料はタダでいいですよ、“先日の口止め料”…ということで」
「ははっ、なるほど―――？」
それを確認すると、陸翔は周囲で身体を疼かせる狼男達に号令を放つ。
「よし、狩りの時間だ……行くぜ―――“蒼い月の導くままに”」
「「「「「おおおおお！！！！！」」」」」
数名の狼男達は獣姿に姿を変えると、一斉に駆け出した。
兄弟子達を追いかけようとする隼の腕を、つかむ陸翔。
「―――……なんです？」
「オマエの事だから、ちゃっかり本当の“口止め”は掴んでるんだろう？」
「……ああ、“姫”の事ですか？」
途端、陸翔の鼻先がピクリと動き、瞳が冷たく揺らめいた。
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kohaku(プロフ) - 名無しさん» コメント有難うございます。お褒め頂けて光栄です！ (2022年5月28日 15時) (
レス) id: 010498cf3b (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 情景描写がとても素敵で感動しました！ (2022年5月28日 13時) (レス) id: 645a3b4e65 (このIDを非表示/違反報告)
美園(プロフ) - リクエスト受けて頂きありがとうございます！！ (2021年5月16日 9時) (レス) id: 16ac793f5a (このIDを非表示/違反報告)
kohaku(プロフ) - 美園さん» リクエスト有難うございます！確認事項がありますので、ボードにお邪魔いたします (2021年5月15日 20時) (レス) id: cbd072c832 (このIDを非表示/違反報告)
美園(プロフ) - リクエスト？でシノンちゃんがハノンに紙芝居を見せた後、陸翔くんがどうなったか知りたいです！いいですかね？ (2021年5月15日 20時) (レス) id: 0b7aaa97b0 (このIDを非表示/違反報告)
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