第13夜：もふもふの余波 � 、� リクエスト編 ページ39
エルフの里からはるか離れた森の中を、ハノンと、数名の侍女達を背に乗せた狼の群れが走り抜ける。
疾風の如く速さで他の獣や 者々達をも寄せ付けない。
紺色の狼…陸翔の背に掴まるエルフの里長…ハノンは、
突然に「そう言えば」と微笑みを浮かべた。
クスクス……
「どうした―――エオ」
「ごめんなさい、陸。この前里の子どもが、森の危険性を伝える啓発運動の一環として、
自主的に手作りの紙芝居を作ってくれたのだけど―――」
何を思い出したのか、ハノンは再びくすくすと笑う。
「ああ、エルフの里の近くにある森な――薬草が沢山採れるみたいだが、危険も多いからな。
子供が自ら啓発運動を行うならいい事じゃねーか」
(あの森は、ハヤトからも黒塊が多く出現するとの報告を受けている……
子供のエルフが何の対策もなしに立ち入るのは危険だ)
森を駆け抜けながら首を傾げる陸翔に、ハノンは言葉を続けた。
「その登場人物の紺色の狼男が、なんだか陸に似ていたものだから！」
「……ちなみに、どんな内容だったんだ？」
「それが―――」
ハノンはくすくすと笑いながら、紙芝居の映像記憶を精神感応(テレパシー)を使って陸翔に送り付ける。
・
・
「―――……ふざけんなよ！」
「きゃぁっ！」
突然に立ち止まり、前足を上げる陸翔。背から落ちそうになるハノンを咄嗟にヒト型の姿に戻って抱きかかえた。
「おっと…わりぃ！エオ」
その紙芝居、登場人物名はご丁寧に子供のエルフAだとか紺色の狼男Bなどとありきたりに伏せられているが、
絵柄を取ってもハノンや陸翔そのものだ。
大人エルフの女Cはおそらく エルフに変装した隼だろう。
ハノンが里を移動する際の護衛に着くことが多かった陸翔は、エルフの里を訪れることも多かった。
エルフの里の子どもに、“陸翔はハノンに頭が上がらない”と思われていたのだろうか。
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kohaku(プロフ) - 名無しさん» コメント有難うございます。お褒め頂けて光栄です！ (2022年5月28日 15時) (
レス) id: 010498cf3b (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 情景描写がとても素敵で感動しました！ (2022年5月28日 13時) (レス) id: 645a3b4e65 (このIDを非表示/違反報告)
美園(プロフ) - リクエスト受けて頂きありがとうございます！！ (2021年5月16日 9時) (レス) id: 16ac793f5a (このIDを非表示/違反報告)
kohaku(プロフ) - 美園さん» リクエスト有難うございます！確認事項がありますので、ボードにお邪魔いたします (2021年5月15日 20時) (レス) id: cbd072c832 (このIDを非表示/違反報告)
美園(プロフ) - リクエスト？でシノンちゃんがハノンに紙芝居を見せた後、陸翔くんがどうなったか知りたいです！いいですかね？ (2021年5月15日 20時) (レス) id: 0b7aaa97b0 (このIDを非表示/違反報告)
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