第６夜：黄色の朝顔 �� ページ18
「暁の頃には、黄色い花が咲くよ」
「本当に―――在ったのね…黄色の朝顔―――夢幻花。………パパッ！！！」
シノンは鉢植えを握ったまま、その場に座り込んだ。
目頭が熱くなる。視界が、涙で歪んでゆく。
「夢じゃなかったよ…パパと見つけた黄色い朝顔は、きちんと合ったんだよ―――」
「―――……」
「ありがとう、ございます…有難う、私とパパを、信じてくれて―――有難う」
ぼろぼろと涙を零すシノンを、隼は静かに見つめていた。
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「今日は遅いから、家に帰りなさい…」
そう言うと、朝顔の鉢植えを抱えたシノンを家へと帰らせた。
隼の背後からゆっくりと近づく、影…。
「どんな魔法を、使ったのですか？」
隼が振り向くと、優しい影はニコリと微笑みを浮かべる。
その笑顔に、直感的に思考が強張ってしまう。
―――”彼女”に、下手な小細工(偽)は通用しない。
「―――……“遺伝子操作”で作りました。
種植えから花をつけるまでちょうどひと月…活性剤のアンプルをフル活用しても 約束の日ぎりぎりになったので、焦りましたが…」
「貴女が、遺伝子操作を？」
「いえ―――そこは知り合いに頼みました。
そういう“友人”は多いので。
夜分にお騒がせしてすみません…ハノン様」
隼が苦笑いを返すと、それ以上の詮索を口にすることなく、ハノンは小さく礼をする。
「里の民の心を、助けていただいて有難うございます…”ミスト”さん」
「―――……(里の民……)」
(今の”俺”も、エルフの里の民の恰好をしているのだけど―――)
彼女は”どこまで”気づいているのだろうか。
ニコリと柔らかく微笑む表情からは、その真意は探れない。
「貴女は…インサイダー(情報屋)だと、風の噂で聞きました。
朝顔の報酬をしなければいけませんね―――何か、私にできることはありますか？」
「―――……何でも、して下さるのですか？ハノン様が……」
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kohaku(プロフ) - 名無しさん» コメント有難うございます。お褒め頂けて光栄です！ (2022年5月28日 15時) (
レス) id: 010498cf3b (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 情景描写がとても素敵で感動しました！ (2022年5月28日 13時) (レス) id: 645a3b4e65 (このIDを非表示/違反報告)
美園(プロフ) - リクエスト受けて頂きありがとうございます！！ (2021年5月16日 9時) (レス) id: 16ac793f5a (このIDを非表示/違反報告)
kohaku(プロフ) - 美園さん» リクエスト有難うございます！確認事項がありますので、ボードにお邪魔いたします (2021年5月15日 20時) (レス) id: cbd072c832 (このIDを非表示/違反報告)
美園(プロフ) - リクエスト？でシノンちゃんがハノンに紙芝居を見せた後、陸翔くんがどうなったか知りたいです！いいですかね？ (2021年5月15日 20時) (レス) id: 0b7aaa97b0 (このIDを非表示/違反報告)
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