第５夜：夢幻花 �� ページ13
エルフの里の郊外――森
未だ開拓されていない未知なる土地も多いと言われる広大な死神の里の中でも、
エルフの里に隣接するこの森には様々な薬草が生い茂る。
中でも、隼が必要とすることの多いハーブ系の薬草がよく採れることもあり頻回に訪れる場所の一つであった。
(隣接するエルフの里は、自然に関する魔法を得意とするハノン＝エオストレ姫が統治する……その魔力にあてられるおかげでこんなにも育つのだろうか……)
長耳のエルフの女性に扮した隼は、濃紺のショールを翻し、木々の間をすり抜けていく。
昼の柔らかな木漏れ日を浴び、きらきらと光る不思議な薬草の中から目当ての薬草を見つけると、
手際よく異空間にアイテムを収納することが出来る小袋に詰め込んだ。
『主、南へ700ｍ程進んだところへ、ハーブの群生地があります』
「有難う、ハク―――案内して」
お供の白鷹、ハクの先導を受け、隼はハーブの群生地へと向かった。
・
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「良く見つけたね…目当ての“ネオ・ローズマリー”がこんなに―――」
花をつけた茎から切り取ると、爽やかな香りが広がる。
確かローズマリーの香り成分には殺菌作用や抗菌作用、
鎮静作用の他、集中力や記憶力を高める効果もある。
気が付けば一心不乱にハーブを集めていた。
『主、そのあたりで良いのでは…結構な量になりましたが』
ハクに促され小袋を覗き見ると、確かに予定量を過多している。
「こんなに採っていてもまだまだ溢れているなんて…この場所はハーブの宝庫だな」
辺りを見渡せば、ネオ・ローズマリー以外にも薬草になる花やハーブが沢山生っている。
「ハク、ここの座標を記録しておいてくれ…」
『了解いたしました、主』
隼の命を受け、上空へと飛び立ったハク。
その間、他にどんなハーブが生っているのかを確認するため、隼は周囲の散策を行った。
ガサ……
草木をかき分ける音がする……。
(誰か、居る―――)
木の上に飛び乗って気配を殺すと、周囲を見渡した。
“主―――”
“来なくていい、ハク。上空で待機していてくれ”
精神感応(テレパシー)で指示を出すと、音の方を注視する。
視力には自信がある。
相手よりも先に姿を捕らえることが出来れば、退避するにしろ先制攻撃を行うにしろ、
主導権はこちらにある。
音の方向に視えたのは、大きな野生の熊…その視線のさらに先には―――
(あいつ…)
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kohaku(プロフ) - 名無しさん» コメント有難うございます。お褒め頂けて光栄です！ (2022年5月28日 15時) (
レス) id: 010498cf3b (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 情景描写がとても素敵で感動しました！ (2022年5月28日 13時) (レス) id: 645a3b4e65 (このIDを非表示/違反報告)
美園(プロフ) - リクエスト受けて頂きありがとうございます！！ (2021年5月16日 9時) (レス) id: 16ac793f5a (このIDを非表示/違反報告)
kohaku(プロフ) - 美園さん» リクエスト有難うございます！確認事項がありますので、ボードにお邪魔いたします (2021年5月15日 20時) (レス) id: cbd072c832 (このIDを非表示/違反報告)
美園(プロフ) - リクエスト？でシノンちゃんがハノンに紙芝居を見せた後、陸翔くんがどうなったか知りたいです！いいですかね？ (2021年5月15日 20時) (レス) id: 0b7aaa97b0 (このIDを非表示/違反報告)
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